2004/12/10

援助の「質」と「量」

鈴木様、皆様、
WHOの早川です。「量」と「質」の議論はいろいろなところで繰り返されていると思いますが、やはりどちらかというと「量」に強調が置かれがちなのではないかという印象を受けます。これは、日本に限った事ではなく、他の先進国でもみられる傾向だと思われます。まあ、実際、現行の援助システムを大幅に変えることなしで援助の量を増やすべきだというのは、分かりやすい政策議論であり、コンセンサスも取りやすいのかもしれません。例えば、現行のシステムから恩恵を受けているグループ(コンサル、商社、NGOなど)には援助の「アンタイド化」へ賛成するインセンティブのようなものが〈短期的には〉ないと思われます。
確かに「量」も「質」もともに追求するのがベストではありますが、ODAの大幅な増加が難しい中で、「量」、「質」の二者同時追求という議論が、「質」を改善しない口実に使われるのでは、と思ったりもします。やはり、、増加が期待できないからこそ「質」の改善をはかるというのがセカンド・ベストとなるのではないでしょうか。
「0.7%」に関して言えば、他のドナー国がやっているように、とりあえず10年後には達成しますというようなことを公式に宣言してしまえばよいのではないかと思いますが、日本国内ではどのような議論がされているのでしょうか。
最後に、NGOアドボカシーもよく援助の量に焦点を置きがちですが、最近Oxfamから発表された報告書"Paying the Price"は日本を含む先進国ドナーの援助プラクティスの質的問題にも細かく触れていましたのでリンクを紹介させていただきます。http://www.oxfam.org.uk/what_we_do/issues/debt_aid/
mdgs_price.htm?ito=1721&itc=0
早川

1 Comments:

At 9:35 AM, Blogger Team UN Forum said...

早川様、皆様

援助の「質」が具体的にどのような方策を採ればより向上するのか、モダリティか、政策かを含めて議論は重ねられています。タイド化、アンタイド化だけではなく、「質」の議論には援助の効果まで含めた議論が必要と思います。Oxfarmのレポートは早速目を通します。いずれにせよ如何なる文脈においても「質」の向上を図ることは重要ですが、一方で「量」をこれほど数年続けて減らしていては、国連において日本が展開している「開発を通じた国際貢献」はいささかインパクトが弱まると感じています。

なお、日本国内においては、「0.7%」の議論は殆どされておらず、達成しなければいけない数値目標として意識されているとは思えませんし、もちろんコンセンサスは、私の知る限りでは全くありません。むしろODAの削減に向けて、「経済がいまだ上向きではない」、「あれほど豊かな中国にまだ援助がいるのか」といった、いわば感情論的な議論が国内世論を占めています。

ODAについてばかりの投稿で恐縮です。次回は報告書に関してコメントしたいと思います。

鈴木規子
独立行政法人 国際協力機構
理事長室 秘書役

 

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