2005/01/23

スリランカ津波災害支援について(コロンボからの現状報告)

DC開発フォーラム、NY国連フォーラムの皆様

在バングラデシュ日本大使館の紀谷です。devforumでの中南米シャーガス病対策の成功事例の報告(地域固有の疾病対策も大変重要ですね)、またnyunforumでの吉原さんからの国連防災世界会議の臨場感あふれる実況中継など、楽しく読ませていただきました。どうもありがとうございます。

先週から、スリランカのコロンボに、津波災害支援の応援出張に来ております。被災地の現場には行く機会がありませんでしたが、多くの関係者からお話を伺ったほか、私も大使館で若干の作業を手伝いました。世界中の人たちの関心を集めたテーマということで、日本の支援がどのように進展しているのか、現状の一端を紹介させていただきたいと思います。お時間とご関心がありましたらご一読いただければ幸いです。

●医療チーム第2次隊帰国へ

今回の津波災害で、日本の国際緊急援助隊の医療チームは現地に一番乗りしました。(二番はイスラエルだったそうです。)緊急援助隊は、長年の経験を経て、緊急招集・現地入りのための人的・物的体制は、世界的にもかなり高い水準になっていると改めて感じました。

1月17日の夜に、医療チーム第2次隊が東部のアンパラから引き上げて当地を出発する前にお会いしました。被災直後の大きな外科患者は減ってきましたが、怪我が化膿した患者や内科の患者など、日本語・シンハラ語・タミール語の通訳を経由しながら、1日100人以上を効率よく治療できた由です。

夜はテントの中にベッドを敷き詰めて寝る形で、虫にも随分刺されてご苦労が多かったとのことですが、自ら志願して被災地の前線に立ち、現地の方のお役に立てる充実感を強く感じておられるようでした。

●80億円のノンプロ無償・交換公文署名!

同じく1月17日、スリランカに80億円、モルジブに20億円のノンプロジェクト方式無償資金協力の交換公文署名式が行われ、当地でも大きく報道されました。今回の一連の支援の中核であり、金額が大きいのみならず、迅速に緩やかな条件で調達できる内容の画期的なものだと思います。

今後、これを如何に効果的に執行していくかが大きな課題です。丁度17日の朝にJICA調査団が当地入りし、このノンプロ無償も活用した案件形成を打ち合わせたほか、18日、21日には執行に向けて先方政府とハイレベルの協議を早速行い、その間調達担当のJICSも交えて現地ODAタスクフォース会合を開くなど、大車輪で作業を進めています。

●ADB・世銀・JBIC共同ニーズアセスメントも進行中

また、前の週からADB・世銀・JBICの共同ニーズアセスメントが始まっていました。1月19日にはADB事務所でドナー調整会合が開催され、ADB・世銀・JBICから他のドナーに対して、進捗状況の説明が行われました。今後の実施段階では、他のドナーも運営体制に入ることとなりました。

当地では、世銀・ADB・日本の3ドナーで全体の8割を占めていますが、昨今の和平問題や今回の津波災害などで、バイのドナーも関心が高まっているようです。日本も主要ドナーの地位に安住することなく、世界の善意を活用する形で、今後とも援助調整を積極的に行うことが求められているように感じました。

●国際機関経由の無償のフォローアップ

別途、2億5千万ドルが、15の国際機関に拠出されました。このうち多くがスリランカで実施されます。その迅速・適切な執行の確保も大きな課題です。

1月18日にはUN-HABITAT福岡事務所の佐藤さん、19日にはユニセフ本部の久木田さんが大使館を来訪し、執行方針につき調整を行いました。また、当地の関係国際機関代表にも、適切な執行・報告等を行うよう要請しています。

●現地でのチームワークが大きな鍵に

今回、わずか一週間ではありますが、当地の関係者と一緒に働いて強く感じたのは、チームワークでした。

ある人は「役者が揃っていた」といっていましたが、須田大使・軽部公使・大西班長ほか館員の皆さん、そしてJICAの植嶋所長、JBICの江島首席はじめODAチームの皆さんは、ほぼ毎日顔を合わせて、上記の各種スキーム実施を手際よく進めていました。今回の津波災害では、立ち上がりから待ったなしの作業が続いた由ですが、モラルは極めて高く、強い印象を受けました。(それでも皆さんお疲れで、大変だったことと思います。)

私自身は今晩でダッカに向けて出発しますので心苦しい限りですが、今後、コミットした支援の効果的な執行に向けて、引き続きご活躍いただければ幸いです。また、今回の経験や成果が忘れ去られることなく、むしろ多くの人たちに共有され、このようなプラクティスが広がっていくよう、是非何らかの形で記録にとどめていただければ嬉しく思います。

余談ですが、今回の出張で様々な方と再会して、開発の世界の狭さを感じました。大使館の大西経協班長は、2年前のジャマイカでの調和化中南米ワークショップでお世話になりましたし、元InterAction(米NGO連合体)のRichard Forrestさん、JICA当地事務所で援助協調担当の守満さんとも、ワシントン以来初めて再会しました。ユニセフ本部の久木田さん、長崎大学(前外務省国際保健担当者)の國井先生も当地を来訪中ということで、久しぶりにお会いしま
した。JBIC本店バングラ担当の木村課長はスリランカもご担当ということで、こちらでもお会いしました。

今回の津波災害では、devforumやnyunforumの皆様も、様々な形で支援に関わられたことと思います。ご意見・ご感想や、各地からのご報告などいただければ幸いです。

在バングラデシュ日本大使館・紀谷拝
kiya@kiya.net

【ご参考】
日本のスマトラ沖大地震・インド洋津波被害支援
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asia/
sumatra_tsunami.html

当地・景山綾子さんブログの現地津波被害情報
http://bohemian.exblog.jp/i8
スリランカ政府の津波対応ウェブサイト
http://www.cnosrilanka.org/

1 Comments:

At 2:26 AM, Blogger Team UN Forum said...

紀谷さん、NYフォーラムのみなさま
 紀谷さん、おつかれさまでした。これもDCフォーラムにも投稿すればよかったですね。
 以下のとおり、国連側の公用語翻訳を前に、成果文書の暫定和訳が外務省HPに22日から掲載されておりますので、ご参考まで。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kikan/wcdr.html吉原健吾拝@外務省地球環境課

 

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