2005/06/23

在タンザニア大・専門調査員募集/一般財政支援と共通支援戦略

DC開発フォーラム、NY国連フォーラムの皆様

 在バングラデシュ日本大使館の紀谷です。今般、開発問題で数年来協力している同僚(といっても遠隔地ですが・・・)より、在タンザニア大の専門調査員募集につき代理投稿の依頼がありましたので、次の通り転送させていただきます。応募には関心のない方も、タンザニアでの援助協調の実情が詳しく記されていますので、是非ご覧いただければ幸いです。

 タンザニアと並んで、当地バングラデシュも援助協調が進んでいます。ただし、当地では一般財政支援は行われておらず、初等教育や保健分野のセクタープログラムにプールファンドが設けられている程度です(日本は保健分野で債務削減相当資金を10億円程度投入予定です)。

 政府の予算投入の優先順位付けは、その国の政治・経済・社会状況や公共分野のマネジメントにつき深い理解が求められるので、他のドナーと一緒にそのような「未踏の地」に足を踏み入れていくのは、なかなか勇気がいることだと思います。他方、それをしなければ話が進まず、そして最終的には成果を出して相手政府に引き渡すことを目指すということで、まさに体を張って頑張っていることと思います

 もう一点、共通支援戦略の現状も、興味深く拝読しました。当地では、世銀・ADB・DFID・日本の4ドナーで、共通国別援助戦略(Joint CAS/CSP/CAP)を進めている真っ最中です(日本の国別援助計画策定に際し、このような作業への参加は初めてと理解しています)。しかし、各ドナーのCASを廃止するという急進的なものではなく、PRSPを支援するために、まずは4ドナーで共通の成果マトリックスを作り、政府や他のステークホールダーとの協議を一緒に行おう、といったものです。

 それでも、内容や日程のすり合わせ等について、他ドナーと日本国内の間に立って、様々な苦労があります。DFIDは「これからは途上国自身のPRSPが中心になるのであり、国別援助計画はできるだけ軽いものにしていくのがDFIDの方針である」と述べる一方で、日本の国別援助計画は閣僚会議に上がるため、手続きも内容もかなりきっちり詰める必要があります。ただし、これは日本だけではなく、世銀やADBもそれぞれ理事会に上げる手続きなど、それぞれ大変なようです。

 「日本は(単独で)これをやりました!」というだけでなく、「相手政府や他ドナーと協力しての取り組みの全体像の中で、日本はこのような役割を担い、成果に貢献しました」という形に持っていければ良いなと思っております。皆さんは、援助協調について、どのような課題に直面していらっしゃいますでしょうか?
前書きが長くなってしまいましたが、募集内容は以下の通りです。

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(以下代理投稿)

皆様へ

在タンザニア大使館で経済協力班長をしております横林と申します。先週15日より下記の外務省ホームページで、当館専門調査員ポストの募集が行われております。http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/senmon/senko.html

詳しくは同サイトを参照していただければと思いますが、現場における業務内容につきよりvividな情報を提供させて頂き、少しでも多くの方々に応募していただこうと思いメールを書かせていただきました。なお、同ポストの応募締め切りは7月5日となっておりますので、下記のメールで関心を持たれた方はぜひ期日までに応募していただければと思っております。

1.タンザニアにおける援助協調の現状

 ご存知のとおり、タンザニアはサブ・サハラ・アフリカの中でももっとも援助協調が進んでいる国のひとつです。現在14のドナーが一般財政支援に参加し、世銀の借款によるPRSCも含めますと年間約5億ドルがタンザニアの貧困削減財政支援基金(PRBS:Poverty Reduction Budget Support)に投入され、政府とドナーが協調して、政府の改革プログラムの進捗状況をフォローしております。わが国も03年度以降ノンプロ無償の本体資金をPRBSに投入(約5百万ドル、全体の1%)するとともに、一般財政支援の効果を高めるために重要な公共財政改革プログラム及び貧困モニタリングの両バスケット・ファンドに資金を投入しております。

 05年7月より、第2次PRSPであるNSGRP(National Strategy for Growth and Reduction of Poverty)がスタートし、これまでの重点セクターへのインターベンションから、クロスカッティングな課題に対応した成果重視のプログラムとなっており、政府のパフォーマンスをどのようにモニターし、ドナーの対応をより協調させていく方途が検討されております。

 更には、パリ援助効果向上HLFの提言を受け、手続き及びモダリティー双方における協調を促進するため、各ドナーが策定しているCAS(CountryAssistance Strategy)等の国別援助計画を廃止し、すべてのドナーと政府が共同の支援戦略の下活動を行っていくJoint Assistance Strategy(JAS)の策定も進められております。このJASの下では、援助の7割以上を財政支援で、調達、評価等を国の既存のシステムを活用することとが求められており、日本はもちろんのこと多くのドナーにとって現場レベルでの改革が求められています。

 先般5月下旬には、当地において日英の援助協調の一環として、DFIDの次官及び外務省佐藤経済協力局長による共同訪問を実施し、財政支援に関する共同セミナーを行いました。

2.タンザニア援助における日本の支援体制

 大使館の経済協力班は班長の私を含めて5名(班長、出向者2名、専門調査員2名)ですが、他省庁から出向している2名については主にプロジェクト援助をフォローしてもらっていて、今回募集の対象になっている専門調査員には100%援助協調関連の業務を行ってもらっています。JICA事務所は、貧困モニタリング、公共財政管理プログラム、農業、教育の分野で企画調査員が派遣され、そのほか各所員が地方分権、道路、保健、農業、水等のセクターをフォローしています。わが国の現場レベルにおける体制としては恵まれている方だと思います。

3.募集ポストの業務内容

 現遠藤専門調査員にはPRBS、農業、公共財政管理プログラム、JAS等幅広くフォローしてもらっています。ドナー会合への出席、議事録の作成、コメントの調整、政策文書の作成等々同専門調査員に行ってもらっている業務は多岐に渡ります。現場における動きはきわめて早く、専門的な議論が行われているため、大変ではありますが、現段階でノンプロ無償の本体資金を使って財政支援を行っている唯一の公館としてタンザニア大使館でしかできない業務があるという意味では、やりがいのあるポストであると思っています。一方、現場における動きは刻一刻と変化しており、それに対してフレキシブルに対応していくためには、バックボーンとして開発学全般における知識と援助の現場における経験があることが望ましいと思っております。

4.今後の課題

 先般のアジア・アフリカ首脳会議において小泉総理が発表した向こう3年間における対アフリカODAの倍増に象徴されますように、今後どのようにしてわが国の対アフリカ援助を実施していくのか、これまでのプロジェクト援助のみならず、各途上国の援助戦略に沿ったプログラム援助にも積極的に対応していかなければならない状況です。残念ながらこの分野での日本の取り組みは大きく遅れをとっており、他ドナーと互角に対応する状況にはいたっておりません。だからといって手をこまねいているわけにも行かず、日本の考え方を示していきながらも、援助協調の流れにはしっかりと腰をすえて対応することがますます求められており、その意味では、当館の仕事は他では得ることができない最先端の仕事をすることができるのではないかと確信しております。

 長々と書いてきましたが、是非われわれと一緒に働いてみたいと思われる方は応募してみてください。よろしくお願いいたします。

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