2005/07/25

東京オフ会に出席して/援助は現場で起きている

DC開発フォーラム、NY国連フォーラムの皆様

在バングラデシュ日本大使館の紀谷@東京(一時帰国中)です。7月22日(金)夜に、DC開発フォーラム・NY国連フォーラム合同東京オフ会に出席させていただきました。

一次会60人以上、二次会35人以上の大盛況で、これまでメールでしか存じ上げていなかった多くの皆様とお会いすることができました。本オフ会幹事の大島千枝さん、荒川麻衣子さんをはじめスタッフの方々におかれては、企画・運営いただきどうもありがとうございました。また、両フォーラムの趣旨に賛同して、ご多忙の中ご参加いただいた多数の皆様こそ、今回のイベントを楽しく有意義なものとして盛り上げた主役だったと思います。

席上、JICAの戸田隆夫さんの司会のもと(以前DC開発フォーラムBBLでも司会を担当されていました)、DC・NYフォーラムの概要説明、吉村世銀副総裁兼駐日特別代表からのエールの言葉に続き、60人以上の出席者全員から、氏名・所属とともに、自分が実現したい「夢」の紹介がありました。

特に、多くの大学院生・大学生より、世界の貧困の問題に強い関心を持ち、ライフワークとして取り組みたいという「決意表明」があり、実務者としてこの分野で頭を悩ませながら仕事をしている私自身にとっても、大きな励みになりました。将来、このような人たちが、日本の、そして世界の開発問題への取り組みを担っていくのでしょう。

学生の皆さんの中には、中学生の頃から開発の仕事をしようと思い、学部からカナダの大学に入って政治学・開発学を勉強しながらNGOにも関わり、今回一時帰国中ということで参加された方、あるいは大学4年生で来春から青年海外協力隊に入って現場にまず飛び込もうと準備されている方など、それぞれしっかりとした考えを持って第一歩を踏み出されています。私自身、大きな組織の中にあっても、このような初心を持って仕事を始める人と、気持ちを共有していくことが大事だと感じました。

私からは、DC開発フォーラムの幹事の一員として、同フォーラムの概要説明をさせていただきました。2002年3月のフォーラム発足から3年以上が経ったこと、DCでのBBLが継続する一方でパリ、ロンドン、ジュネーブ、NY、途上国にも拠点が広がっていること、更には東京でもGRIPSやFASIDとの連携に加えて、今回のオフ会など参加者が徐々に増えていることを説明しました。

組織・場所・世代を超えて、「グローバルな開発戦略と、日本そして私たち個々人が果たすべき役割」について率直な議論を行い、刺激し励まし合い、行動につなげていくためのオープンなネットワークとして、今後とも本フォーラムは独自の付加価値を提供していけるのではないかと思います。

特に、人材育成という面で、第一線の実務者・研究者の問題意識や悩みを、若手の初学者の人たちに直接伝えるチャネルになると思います。逆に、若手の人たちには、このような機会を是非活用いただくとともに、単なる受益者にとどまらず、新たな発想で問題提起や情報提供をいただくことを期待しております。
幹事や他の参加者の皆様は、今回のオフ会に出席されてどのようなご感想をお持ちでしょうか?また、今後の活動のあり方についてどのようにお考えでしょうか?今後の本フォーラムの活動の参考のためにも、お時間がありましたら伺えれば幸いです。

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別件ですが、オフ会当日の昼に、FASID国際開発援助動向研究会で、「援助は現場で起きている-ODAの現地機能強化をどのように推進すべきか-」とのテーマでプレゼンテーションと議論を行う機会をいただきました。(ちなみにこのテーマは、「踊る大捜査線」で主役の青島刑事(織田裕二)が「事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こってるんだ!」と叫んだ気持ちを、外務省経協局・現地機能強化班長の上田奈生子さんが汲み上げて使い始めたものです。)

プレゼンは、バングラデシュ現地での実務の視点と経験から、ODAの現地機能強化のあり方につき問題提起することを目的に、「現地で何が起きているのか」「現地でどのように対応しているのか」「構造的な問題は何か」「今後の具体策は何か」との4部構成で行いました。

今後の具体策については、(1)「政策」面では「内なる改革」への組織的な取り組み、すなわち決意の表明、関係者の巻き込み、担い手の明確化、成果の検証、(2)「人」の面では既存要員の能力強化と外部要員の活用、人こそが付加価値の源泉との発想のもとでの中長期的な育成戦略、(3)「情報」面ではインターネットの徹底的な活用、世界と日本の知恵の深化(内なるフロンティア)(4)「スキーム」面では情報の整理、簡素化・統合、予測可能性の向上について問題提起を行いました。

引き続いての議論では、人間の安全保障の実施面での課題、開発関連の日本の機関と国際機関の人事交流の重要性、NGOとの連携のあり方、現地で必要とされる人材の要件、要望調査の改善策、情報・知見の組織的な保持と活用(institutional memory)の必要性、中央と現地のマネジメントのあり方、ドナー協調が進展する中でのオーナーシップ強化の課題、外交と開発の関係などについてやりとりがありました。

本件にご関心がありましたら、冒頭パワーポイント・プレゼンテーション資料と関連席上資料へのリンクを、取り急ぎ次のウェブサイトに掲載させていただきましたので、ご覧いただければ幸いです。(追ってFASIDに議事録を作成いただける予定です。)http://www.kiya.net/articles.htm

また、現地機能強化については、本年2月に策定されたODA中期政策を踏まえつつ取り組みが進められているところですが、様々なお立場やご経験から、現状の問題点のご指摘や今後の具体策のご提案などありましたら、断片的なものでもお気軽にお教えいただければ助かります。今後の取り組みに極力反映させていきたいと考えております。

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更に別件ですが、7月25日(月)の昼にFASIDで、「グレンイーグルズ・サミットにおける開発問題」をテーマにBBLが開催される由です(講師:外務省経済協力局参事官・佐渡島志郎氏)。本フォーラムのテーマと深く関わっていると思いますので、ご参考までにお伝えします。

http://www.fasid.or.jp/chosa/forum/bbl/annai_132th.html


また、久しぶりの日本でテレビを見ていたら、23日(金)晩に、NHKスペシャルで「ナイジェリア石油争奪戦」という番組をやっていました。私自身15年前にナイジェリアに2年間勤務したこともあり興味深く見たのですが、石油収入が得られる一方で政府の汚職などのため貧困削減が進まなかった構造、石油を巡る米国とナイジェリアの戦略的関係、石油産出地域の不満による国内対立、政府首脳レベルの決意による汚職対策の進展振りなど、アフリカの開発問題の重要な諸側面をわかりやすく描いた良い番組と思いました。アフリカを巡る日本での議論も、このような多角的な視点からの理解と議論が深まり、更なる取り組みが進むことを期待しております。

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最後に、NY国連フォーラムの荒川さん、今回の幹事に加えてウェブサイトの立ち上げありがとうございました。阿部軍縮担当国連事務次長のインタビューも、早速写真つきで掲載されていて、まさにNYに拠点を置くネットワークならではの発信ですね。フィールド・エッセイの展開も楽しみにしています。

長い投稿になって恐縮です。読んでいただきありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

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