2005/08/10

7月1日勉強会議事録(第一弾)

ニューヨーク国連フォーラムの皆様、

暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

遅くなりましたが、7月1日にニューヨークで行われた、JICA小島誠二理事に
お越しいただいた勉強会の議事録を送付させていただきます。ご存知のように
このメーリングリストは文書の添付ができないため、3部に分けてお送りしま
す。

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国連邦人職員会・国連日本政府代表部合同勉強会
新たな援助潮流への日本の貢献を目指して―JICAの課題と挑戦(第一弾)
JICA理事 小島誠二

0.はじめに

20年近く前、アジア開発銀行で働いていた。その後、外務省経済協力局におい
て、開発調査、年次協議、国別援助計画等を担当した。私が担当したODA大綱
は1992年に策定されたが、その改訂の過程を見ると国民のODAへの関与の仕方
が変わり、広がったと感じる。1999年から再び経済協力局でLLDC向けODAのア
ンタイド化問題等を担当し、今回、JICAにおいて総務、人事、企画・調整、援
助協調等を担当することとなった。NYやDCの開発フォーラムでJICAが何をして
いるかについてお話ししたい。特に、日本政府関係者以外の外部の方々に話を
聞いていただいて、ご意見を伺いたい。

本日の話しでは、重要であるが、応えることが難しい課題を取り上げたい。ア
メリカで勉強したり、仕事をしておられる皆さんから、こんな風に考え、直し
ていけばいいのではないかというようなご意見をいただきたい。ODAに対して
は批判が多いが、最近は日本のODAのことをよく理解して発言し、また、調査
結果・データを示してくれている人もいる。例えば、小泉総理はアジア・アフ
リカ会議に出席された際、アナン事務総長と会談された。その際同席していた
(と思われる)ジェフリー・サックス教授は、日本のODAが最も効果的に実施
されている(best followed)と評価した。メディアではあまり取り上げられ
なかったが、こういう評価をしてくれる人もいることを嬉しく思った。

1.JICAとは何か?

(1)1954年の社団法人アジア協会から、1962年に海外技術協力事業団及び
1974年に国際協力事業団を経て、2003年に独立行政法人化された。法的には二
つの側面を指摘できる。すなわち、JICAは独立行政法人としての共通性(他の
独立行政法人と一律の取扱い)とODA(技術協力)の実施機関としての独自性
を有する。
(2)事業実施は、まず5ヵ年の中期目標・中期計画を立て、年度計画をも
ち、各部署別の計画を作って、外務省に提示して、実施の上、自ら評価を受け
るという体制になっている。いい意味で緊張感を求められている。仕事の仕方
は、独立行政法人化によって劇的に変わっている。

2.JICAは何をするところか?

(1)JICAの仕事は幅広い。技術協力を中心として、その他の仕事も多い。新
たな内容としては国民参加型の事業。NGOや大学との連携などが対象。従来か
ら行っていたが、法律に書き込まれた点で新しい。
(2)それでは、技術協力とは何か。DACの定義(開発途上国の人々の技能、
知識、技術ノウハウ及び生産的な素質の水準を向上させることを目的とする全
般的な支援活動)が一般的だが、JICAの定義は文面上これより若干狭いかも知
れない。Investment Related Technical Cooperationも重要な仕事。
(3)JICAの行っている技術協力は、以前は技術移転が中心であったが、現在
では制度構築やcapacity developmentへと広がってきている。今日では、人々
が自ら設定した目標を達成できるよう支援すること、自らの課題の解決能力を
向上させることができるよう助けること、そういった能力を外からもたらすの
でなく、人々に備わっているものが内発的に発展できるよう援助すること、そ
ういった活動全般が含まれる。その課程で、個人、組織及び社会を総体的に捉
える取り組みが求められる。
(4)資金協力との連携、資金協力と技術協力との一体的実施も拡大してい
る。例えば、農村に住む人々自身が道路を作ったりすることを支援すること
等。OECD/DAC(開発援助委員会)への報告をどうするかは別として、実際に
は、資金協力と技術協力とを分けることが難しいことも多い。

3.独立行政法人化した後JICAはどう変わったか?

(1)業績が評価されることが大きな変化。弾力的な財務管理。自立的な組
織、すなわち組織の改革が行いやすくなった。管理職ポストを1割削減した結
果もあって、決裁の効率化(所要時間の4割減)等のポジティブな結果も得ら
れている。
(2)「復興」という形で、平和構築支援が法律上明記された。イラク、アフ
ガニスタン、チャド、ガザ、ジェリコ等アフリカを中心として活動を広げてい
る。
(3)7月より、ファースト・トラック制度を導入。最短で45日でプロジェク
トを始める。自然災害や紛争後の支援を念頭においている。緒方理事長の強い
イニシアチブのもとで成立した。
(4)業績評価。中期目標や計画には具体的な数値目標が掲げられている。具
体的な投入、たとえば長期専門家,コンサルタントを1割減らす等の目標。数
値目標の7割は既に達成できている。多くが前倒しで達成できているというこ
とである。
(5)質の向上も重要。例えばプロジェクト単位でなく、プログラム単位での
取組みを行っている。現場主義実現の結果、リソースが足りなくなり質が落ち
てはいけないので、優先順位の低い仕事を減らすという取り組み、また、優先
順位の高い仕事を効率的に実施するという取り組み、すなわち業務軽量化を進
めている。私見では10%くらいは減量しないと業務がうまく遂行されないと考
えている。

<第二弾に続く>
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Yuka Nagashima (Ms.)
Human Security Unit
OCHA, United Nations

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