2005/09/10

国連フォーラム・インタビューシリーズ第2弾(パート2)

NY国連フォーラムの皆様

昨日送信いたしました、「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第2弾の続きをお送りします。フォーラムの皆様の御意見・御感想をお待ちしています。

NY国連フォーラム幹事
清水和彦

****************************************************

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第二弾        ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

2.東ティモールの現状

(清水)東ティモールの独立を問う住民投票から6年、国連の暫定統治を経て、独立から3年が経ちました。現在の東ティモールの状況をどのように分析されていますか。


(長谷川代表)国連東ティモール・ミッション(UNAMET)が国民投票の管理を行い、国民投票後1999年9月に多国籍軍INTERFETが展開されました。セルジオ・デ・メロ氏が国連事務総長特別代表を務めた1999年11月から2002年5月の約2年半の間に、①治安の回復、②健全な統治能力を持った政府づくり、③議会、裁判所、大統領府の土台づくりが行われ、多くのアドバイザーが活躍しました。この時期は国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)が行政責任をすべて受け持っていました。その間、憲法の採択を行い、大統領選挙(2002年4月)、制憲議会選挙(2001年10月)が行われました。UNTAETが基盤を作ったわけです。

2002年5月、正確には独立の「復帰」(Restoration of Independence)と言います。これは、1975年にポルトガルより独立を宣言したものの、3か月後にインドネシアが侵入してきたためです。独立の復帰と共に、国連東ティモール支援ミッション(UNMISET)ができました。私は2002年7月に東ティモールに来ました。初めの2年間は、治安・行政制度を確立するための100人の専門家(Stability Advisor)が、 UNDPの200人の開発支援のアドバイザーと共に、この国の基本的な行政を行いつつ、4つの国家機関(議会、裁判所、大統領府、政府)が機能できるような技術支援、訓練を行ってきました。2年間それが実って、それなりに基盤が整えられたと思います。


3.東ティモールの課題

(長谷川代表)予期して対策が講じられなかった課題の第一は、司法制度です。政府の行政能力はそれなりに育ってきましたが、司法制度がまだ十分育ち上がっていません。一つには、裁判官、検察、弁護士は数年のアカデミック・トレーニングが必要です。もう一つは、公平な裁判を外部からの介入を防いで行うことは、それなりの公正を重んじる社会制度ができなければいけません。それにはまだ数年かかります。それをどのようにして国際社会が支援していくことができるかです。

第二の課題は、憲法、4権の分権体制といった民主主義社会のフレームワークはつくりましたが、これが十分機能していくためには、民主主義のカルチャーを国民とその指導者が受け入れていく必要があります。たとえば、裁判に対する政府の介入をなくすことなどです。

第三の課題は、透明性と説明責任のある政治体制の構築です。そして公正な政治が行われるためには、汚職をなくすことが必要です。たとえば、国家公務員は(与党)フレティリンのメンバーが優先され、メリトクラシー(能力主義)がありません。統一試験はありませんし、公用語であるポルトガル語ができる人しか入れません。

また、貧富の差が出てきました。頭が良くて外国から入ってくるお金のある人、そういう人は給料がもらえますが、教育を受けていなくて、(インドネシアに支配されていた)24年間外に出なかった人が苦労しています。つまり、外に出ていた人たち(Diaspora)が新しい社会の恩恵を受けています。貧富の差のない社会づくりのためには、ミレニアム開発目標(MDGs)達成のために支援していくことが第一です。


4.東ティモール支援における国際社会の役割

(清水)東ティモールの今後において、国際社会、特に国連と日本の役割は何だとお考えでしょうか。


(長谷川代表)国連の支援は、この国の行政能力に重点を置いてきました。今後は、①政府機関のみならず、他の国家機関(議会、裁判所、大統領府)の能力、また、②市民社会の団体(Civil Society Organisations; CSOs)の潜在能力を高めることが必要です。また、③民間部門の生産能力を高めていくこと、特に農業の開発が非常に大事です。 日本は、農業開発、インフラ整備などの面で貢献できると思います。道路、通信の復旧は、地域間の差を縮めます。また、教育・医療面においての開発、整備も必要であり、日本はこういった面で支援していけると思います。国連としては、政治的に2007年の大統領選挙・議会選挙が大事で、いかに自由で公正な選挙が行われるかと言うことの支援をしていきたいと思います。
(清水)本日は大変お忙しいところ、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。(了)

0 Comments:

Post a Comment

<< Home


Click Here