2005/09/25

速報:国連本部ビルの停電と閉鎖 → 国連のカネの話

国連フォーラムのみなさま。田瀬@人間の安全保障ユニットより。

本9月19日、昼ごろに国連事務局ビルで電気系統の障害がありまして(一部には火災という情報も)、照明以外の電源が「ブン」といって落ち、エレベータも止まり、仕事ができない状態になってしまいました。2時過ぎには照明を含めたすべての電気が止まり「4時過ぎには事務棟を閉鎖して復旧を行なうので、警備を含めた一部の職員以外は自宅待機するように」とのアナウンスが流れました。というわけで現在私は自宅に帰ってきて作業をしています。

国連本部ビルは1952年に建ったものだそうで、老朽化でいろんなところにガタがきています。エアコンの水漏れで上の階から雨漏りしたり、最悪のケースではうちの階(18階)でも天井の一部が崩れて落ちてくるという事故が最近ありました。早朝だったのが不幸中の幸いでしたが、真下に人がいたら絶対ケガしてます。そのくらいの規模の事故でした。また、夏の間は南極のように寒くなり冬の間は蒸し風呂の中にいるように暑くなるという、まったく制御の効かないエアコンもこのビルの名物です。笑ってる場合じゃないんですが・・・

幸い、すでにこの老朽化には対策が講じられています。いわゆる「キャピタル・マスター・プラン」というやつで、いまの本部ビルのすぐ南側の敷地に新しいビルを建てることとなっており、担当局長に日本人の丹羽敏之氏が任命され、デザインには日本の建築家で「幕張メッセ」を設計した槙文彦氏が担当することが決まっています。ただ、費用をどうするか、特に米国がその融資に利子を貸すかどうかといった問題で、たいへんすったもんだしたと聞いており、さらに建設予定地に隣接するTudor Cityの住宅用ビルの住人との関係で、工事ができずに止まっ
ているという話も耳にします(正確な情報を持っておられる方、教えて頂ければ幸いです)。そういうわけで、われわれはもうしばらくはこのビルで仕事を続けることとなりそうです。

この話がどこへ行くかというと、国連の行財政と予算の問題、そして各国による分担金の問題に行き着きます。私は2000年の国連分担率交渉のプロセスに関わりましたが、こうしたビルの管理まで含めて国連の予算をどうするか、さらにそれを加盟国間でどう共有するかは、国連の問題の中でも実は最も重要なもののひとつだと思います。日本は現在、国連の通常予算の約5分の1弱、19.5%程度を負担していて、22%を払っている米国と合わせるとそれだけで40%を越えるわけです。また、PKO分担金も支払いが義務となっているのですが、昨今のPKOの激増により、その額は日本の分担だけで年間1000億円を越えると聞いたことがあります(これも正確な数値をご存じの方、教えて下さい)。
来年2006年には再び分担率交渉が行われます。非常に激しい交渉となることが予想されていますが、日本はどのような立場で臨むべきとみなさんはお考えでしょうか。純粋にGDP比率で考えると分担率は大幅に下がるべきという計算になります。また「代表無くして課税なし」という観点から、常任理事国になれないのであれば支払いをストップするべきであるという考え方も最近は多く聞かれるようになってきました。少数派ですが、逆に「もっとたくさん払って経済的に国連を牛耳るべきだ」という意見もあると承知します。ただ、国内の大多数の意見は、
日本は払い過ぎであるし、金を払えば地位を得られると思うのはあまりにお人よし過ぎる、ということかと思います。

お金は同じ金額でもゼロから無限大まで、いかなる価値をも生み出します。しかし特にそれが日本を含めた諸国民の税金である場合、いかにその価値を引きだすか、悪用させないかが、立場を問わず政策を担当するものの責務であり、また国民の側からみればしっかりと監視すべき対象であると思います。

停電でいろんなことを考えちゃいました。
明日は復旧されてエレベータが使えることを祈ります。
それでは。

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