2005/09/25

J. Sachs: MDG and IMF

フォーラムの皆さんこんにちは、コロンビア大学SIPAのかめいです。

先達インドネシア大統領とJ.サックス教授の講演についての投稿をしましたが、サックス教授は今学期、SIPAで「The Fight Against Extreme Poverty, Achieving the Millennium Development Goals」という授業を開講しています。当初ワークショップとして定員30名で開講したこのクラス、学生が殺到し、消防法ギリギリで教室に入れる人数約 70名に拡大してのスタートとなりました。

この授業を、フォーラムのメンバー4名が履修しています。これから学期末まで、4名によるリレーで、時々授業の中から興味深かった内容などを拾い、フォーラムの皆さんとシェアしていきたいと考えています。

さて、9/21の授業はIMFについてでした。サックス教授よりIMFの設立経緯、歴史、マンデートなどについての説明があったのち、内容はマクロ経済スタビライザーとしての、IMFのアプローチへと移りました。HIPCイニシアティブが導入された1990年代後半以降も、IMFのエネルギーの大半はマクロ経済安定のためのインフレ率抑制に費やされているとした上で、そのアプローチの目指すことは財政赤字を0とすることであると続きます。その際、IMFは政府予算の縮小による財政赤字0を推奨してきたが、これが結果、ただでさえ十分でない途上国の社会セクター予算を圧縮し、貧困削減や経済開発に必要な公共投資を妨げることに繋がったとの指摘に続きます。

ここまでは良く聞かれる問題意識ですが、ここで、サックス教授は財政赤字を0とする方策として、ODAを提案します。(財政収支)=(政府予算)+(海外ローン利子)ー(税収)ー(ODAによるグラント)とするのであれば、財政赤字0を実現する重要ファクターはODAによるグラントであるというのがサックス教授の主張です。貧困削減と経済開発を維持するためには、公共投資を削減することは適当でない。債務救済でローン利子が相殺されても、その額はたかがしてており、また税収拡大にも期待をかけれないとすれば、最終的なバランシングファ
クターとして、ODAによるグラントに注目すべきであり、IMFはそもそものマンデートマクロ経済安定を達成するために、ここにもっと注意を払うべきである、と。

簡単にまとめてしまえば、マクロ経済安定のために、IMFは各国が投入するODA増額を推進すべき、つまりMDG達成のためのODA対GNP0.7%ムーブメントに、IMFも乗るべきなのだ、ということです。

少しIMFから話がずれますが、講義前日の9/20、世銀の年次報告World Dvelopment Reportがリリースされました。今回のサブタイトルはEquity and Development、世銀としてはじめてequityに明確にリファーし、貧困削減と経済開発のためには、教育、保健、インフラと行ったリソースにアクセスを持たない人々の多くいるアンバランスを是正するために、富と再分配が必要であると主張しています。
http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/EXTDEC/EXTRESEARCH/
EXTWDRS/EXTWDR2006/0,,menuPK:477658~pagePK:
64167702~piPK:64167676~theSitePK:477642,00.html


BBCニュースはこれを、MDG達成のためにUNが主張してきたことと方向を同じくし
ていると指摘しています。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/4252308.stm

サックス教授が主張するように、世銀の次は、IMFが貧困削減、MDG達成に目を向
ける日は近く来るのでしょうか。皆さんはどのように思われますか?

少し長くなりましたが以上です。

かめいはるこ/コロンビア大学SIPA

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