2005/09/17

MDGとハリケーンKatrina

NYUNフォーラムの皆さん、こんにちは。

いつもML管理人としてアドミ投稿ばかりをしております、コロンビア大学のかめいと申します。

今日は、コロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)が毎年国連総会開催時に併せ実施しているWorld Leaders Forum(http://worldleaders.columbia.edu/index.html) の一環として開催された、インドネシアYudhoyono大統領とジェフリー・サックス教授のセッションに出てきましたので、そこで感じたことを少々シェアさせて頂きたいと思います。

インドネシア大統領の講演内容は、MDG達成のためにインドネシアが取り組んでいること、課題等についてで、一国のリーダーとしてMDGへの強いコミットの姿勢を見せたという点の他は、特段目新しい議論が展開されていたものでもありませんでした。一方、非常に面白かったのは、大統領が退席した後に、30分弱ほど一人でアジったサックス教授の視点です。

曰く、モントレーにおけるODA対GNP0.7%コミットメントなど存在しないと主張し、今やMDGのゴールそのものにネガティブな姿勢を持つアメリカは、今回のハリケーンKatrinaにおいて各国やUNから受けた支援を踏まえ、アメリカがアメリカだけで生きていけないことを悟るべきであり、開発を通じたSecurityの確保を今一度思い知るべきである、と。ODA対GNP0.7%はアメリカの予算にすれば対イラク年間予算に等しい、と、ブッシュ政権に対しての直接的に批判的な発言が多かったのは、国連とアメリカの狭間で、MDGの旗ふりをやってきたサックス教授自身のフラストレーションの現れであるとも感じました。

MDG達成は非現実的で、ODA 対GNP0.7%にこだわり、資金さえあれば全てが解決するような主張は楽観的すぎる、という批判もあると思います。ただ、本日のサックス教授の非常にポジティブで、強い意志を持った語り口から、単純に先進国が占有する富をわずかにシフトすることで、最悪の貧困と欠乏の中で暮らす多くの人を救うことができる、そのために先進国は最低限の努力をすべき、ODA対GNP0.7%によるMDG達成は未来の世界のためにすればThe best offer on theplanetとの明確な主張には、強い説得力を感じました。

This will be the last chance to make MDG operational, そう述べたサックス教授の言葉通り、昨日開幕した今回のサミットにおけるMDGの議論は、今後の開発の潮流を決定する重要なターニングポイントだと思います。皆がアメリカのようにコミットメントを投げ出し「諦めるのか」、達成を信じ、開発の努力を続けていくのか。援助国側、被援助国側双方が、どのうような議論を展開していくのか、非常に興味深いと思います。フォーラム参加者の皆さんのなかには、実際の議論に関わる方も多くいらっしゃると思いますので、その様子を是非フォーラム
においてお伝えください。

なお、サックス教授が本日述べていたところの趣旨は、昨日12日のFinancialTimesにも掲載されています。ご参考まで。
http://news.ft.com/cms/s/c7e7f42c-23ad-11da-b56b-00000e2511c8.html

亀井温子(はるこ)/ コロンビア大学SIPA

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