2005/10/07

ODA,MDGs、国の発展など

水野谷様、紀谷様、NY国連フォーラムの方々

 ODA,MDGs、サックス教授の講義、国の発展などについての議論を興味深く拝読しております。私は、国連首脳会議の成果文書のうち、MDGsなど開発に関する部分の交渉に携わってきましたが、このフォーラムでの議論は国連での交渉よりおもしろいだけでなく、本質を突いていると思います。
 水野谷さんの9月28日付メールにある、国の発展のためには産業の発展と再分配の国家機能が必要というのはまさにその通りだと思います。一つ追加するとその国の平和と安定も重要と思いますが。特に再分配(特に税金)に関わる制度が機能することは本当に重要だと思います。ご存じの通り、途上国以外の国も含めてまともに機能する再分配制度を有している国は少ないでしょう。これが機能すれば、ODAはずっと少なくて済むと思います。税制度が機能するためには、民主主義のもとでは、納める側(国民)と使う側(政府)との間に信頼関係があ
るのが基本だと思いますが、ではこの信頼関係をどう築くのかということになると大変難しい問題に直面します。水野谷さんが指摘した点も含めて、国によって異なるでしょうが、政府のガバナンスといった問題を超えた歴史的、宗教的、文化的な問題も出てきて非常に長い時間がかかると思います。外国の支援で可能になるとも思えません。日本は米国にそれこそ税制改革や農地解放もふくめて民主化されましたが、この経験はむしろ例外的と考えるべきでしょう。なお、短期的にそれを実現する方法は、民主主義的な制度によらず力で強制することです。発
展の初期段階では開発独裁の方が効率的などといわれていますが、これはこれでいろいろな問題があるでしょう。私も個人的には、民主主義のような時間とコストがかかる制度よりも、万能の天子が政治を行った方がいいと思っています。その天子が永遠に続く良心と生命を持っていればのことですが。
 そこで、貧困国の人々を助けようとすると、ODAをはじめとする外国の支援が必要ということになると思います。この関連でアナン事務総長やマロック・ブラウン官房長、さらにはサックス教授が推進したMDGsは国際社会が共通の開発目標を持ったという意味で大きな意味がありますが、MDGsのキャンペーンの過程でMDGsの実現のためにはODAなど公的資金の大幅な増加が必要と短絡的に結びつけてことさら強調したのは、ネガテイヴな意味で影響が大きかったと思っています。その理由は、水野谷さんの10月3日付けのメールと紀谷さんの10月4日付けメールに書いてあることに賛成ですが、一言で言えば、開発という非常に複雑な問題を単純化させ、その責任を途上国という当事者から先進国に転化させたため、開発の問題が途上国政府のみならず途上国の現場からも遊離してしまったことだと思っています。もちろん世界の多くの人の関心を引くためには問題の単純化は必要で、この間の日本の選挙を見ても単純化は効果的でしょうが。
 最後に、援助よりも貿易投資を通じる産業育成の方が重要という主張があり、日本もそれを主張してきましたが、私はこれにも疑問を持っています。途上国側はWTOの交渉を通じて途上国に有利な貿易制度を作るべきだと主張していますが、仮にそれができたとしても(これ自体非常に難しいことですが)、まず、途上国自身に資本が投下され産業がある程度振興されなければ、外国(この場合先進国ではなく、中国やインドなど)を利するだけです。そこで資本の投下については、途上国の国内資金の投資か外国の投資を助長する必要がありますが、これ
には先ほど述べた税制度と同様の問題が立ちはだかるでしょう。
 アフリカなどの貧困国の開発の問題を考えるほど憂鬱になるこのごろです。
               国連代表部 須永和男

1 Comments:

At 4:40 AM, Blogger Tom Naka said...

Just thought i would say hi from Japan. Doing some blog surfing and found your site. Im looking for some cool styles of empire united health care
for my own blog. Theres some really amazing blogs about. if you have time check out my site you will find information on empire united health care
. Well when i get my blog running hope you come and check it out.

 

Post a Comment

<< Home


Click Here