2005/07/31

CAFTA米国下院議会通過

DC開発フォーラムおよびNY国連フォーラムの皆様

はじめまして。DC在住、ラテンアメリカ特に中米の民間セクター開発を専門としている菊地と申します。去る28日、米国下院議会をDR-CAFTA 自由貿易協定法案が、通過したので、同法案の内容、影響をまとめてみました。興味をお持ちの方は、目を通していただけますでしょうか。なお、添付したファイルのうち、CAFTA Summary は、米国貿易委員会のCAFTAレポート(202ページ)の要旨、CAFTAcomment1は、下記のコメントと同じものです。中米という地域的な問題をなるべくアジアに関心がある方にも、読んでいただけるものにしようと、腐心いたしました。


CAFTA米国下院議会通過

米国と中米5ヶ国および、ドミニカ共和国の自由貿易協定法案が、7月28日、米国下院議会にて、217票対215票の僅差で可決された。既に6月29日に同法案は、上院で可決されているため、8月一週に予定されている大統領の書名をもって、批准される。


I.今回の法案通過の意義

1)FTAA

米国議会貿易委員会のCAFTAレポートに指摘してあるように、米国にとっての今回の自由貿易協定は、発効したとしても、長期的に見て、大きな経済的な影響はないものと思われる。中米およびドミニカ(共)は、6ヶ国あわせて、米国にとって、輸出で12位、輸入で15位の相手であり、大きな貿易相手国ではない。しかも、既に80%の貿易品目は、各種の貿易優遇策で免税または、優遇税制のもと、米国に輸入されており、今回の自由貿易協定の影響は、一部の産業に限定される。むしろ、今回の協定は、FTAAを米国の主導権のもと、達成するための一歩としての意味が大きい。ブッシュ大統領も、この協定で「貿易」が、地域の生活を改善し、「民主化」に寄与し、ひいては、「米国の安全保障」に有益であるとして、議員を自ら、説得してまわった。

2)米国内の反対勢力対策

今次法案の主な反対勢力は、一部の農業品目輸出の盛んな州、および砂糖業界と労働組合であった。砂糖業界:オーストラリアやメキシコなど、一連の自由貿易協定において、強硬派と目されてきた砂糖業界は、米国のもっとも大きな政治寄付金拠出団体でもある。CAFTAレポートでも、砂糖業界を説得して、協定を受け入れさせるための記述が、多く散見された。実際、砂糖および砂糖加工商品の米国への輸入は、15年かけて、徐々に関税が下げられ、しかも、中米への割り当て量を課すというものであり、当面、米国砂糖業界は、保護される。労働組合:AFL-CIOは、CAFTAにより、米国内での労働が確保されないとして、FTAAおよび一連の自由貿易協定に表面上、一貫して反対を貫いてきた。しかし、米国の労働組合は、AFL-CIOにせよ、CALPERS(カリフォルニア公務員年金組合)にせよ、積極的に米国企業に株式投資し、ラテンアメリカを含む世界の金融市場にも投資しているため、表の反対表明ほどには、自由貿易による成長機会拡大に反対できない背景がある。そのため、組合内の強硬派と目されるトラッカーズなどの組合と指導部の間の溝が深まり、事実上、内部分裂していた。また、その一方で、AFL-CIOは、中米各国の労働組合と共同歩調をとって、CAFTAおよびFTAAに対しての圧力をかけることも、模索していた。しかし、これも、米国労働者の権利拡大を求めるAFL-CIOと、米国の労働者に比べ、劣悪な中米の労働者の労働条件の格差から、折り合いをつけることは出来ず、話は、具体的な進展を見せなかった。

3)対アジア(中国)戦略

7月28日、CAFTA法案が通過したことだけが、華々しく報道された。その一方で、中国貿易政策を厳しくモニタリングする法律が、通過したことも、目を留めておくべきである。CAFTAを通過させるために、中国への圧力を強めるということは、日本から中国への投資、及び、中国から日本製品の米国への輸出に対する牽制でもある。なお、FTAA締結目標とされている2005年という指標は、APECのボゴール宣言によるAPEC域内先進国の貿易自由化目標2010年に対して、より早い米州域内の自由化を達成しようということで、設定されている。


II.今後の課題

1)長期戦が予想される法案発効

今回、米国にて、CAFTA法案が、通過し、批准されることとなった。しかし、中米各国で批准されるまで、どのくらいの時間がかかるのか、いまだに不透明である。ちなみに、メキシコと中米北部三カ国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンデュラス)との自由貿易協定は、合意から発行まで、数年かかっている。今回のCAFTAが、FTAAを念頭においていること、また、貿易相手国が、メキシコよりも、はるかに影響力の大きい米国であることから、中米域内でも早く批准されるという見方もある。しかし、下記の社会的課題に対しての取り組みが、見られないと、長期戦も予想しうる。

2)NAFTAの残した社会的課題

NAFTAは、特に米国からメキシコへの直接投資増加をてこに、メキシコから米国への製造業の輸出を飛躍的に増加させた。そのことが、より、緊密なメキシコと米国の政策協力を促し、メキシコの信用力向上にも、寄与した。その一方で、メキシコの貧しい農業セクターは、米国の農産品輸出に対してなすすべなく廃業に、いたった。彼らは、大都市へのあてなき国内移動、または、米国への不法移民としての入国を選び、社会不安、失業率増大などを引き起こしている。既に、各研究機関のCAFTA分析でも、同様の社会的課題が、指摘されており、中米各国でCAFTAを批准するためには、政治家の政治的リスクを受け入れたリーダーシップが必要となる。各国のカトリック、学者などの有力なグループの反対に対しての説得も必要である。

3)対南米政策

FTAAを進めていくうえで、必要なメキシコ及び中米を自由貿易協定でまとめるのは、第一歩であり、今後、難しい南米の切り崩しが、待ち構えている。今年の米州機構(OAS)事務総長選では、最終的に南米の推すチリのインスルサ内相に鞍替えして、米国は、自国擁立候補が、敗れるという事態を防いだ。7月末の米州開発銀行総裁選は、危なげなくコロンビアのルイス・アルベルト・モレーノ駐米大使が選出されたが、チリとコロンビアを除く南米グループを切り崩す道のりは、平坦でない。


III.コメント

1)中米にとっての米国との自由貿易協定の意義

既に8割の米国への輸出は、各種優遇税制のため、恩恵を受けており、短期での目覚しい中米諸国にとっての影響は、ないと推定される。しかし、長期的には、米国からの直接投資をてこにした技術移転および輸出拡大が、期待されている。従来の優遇税制は、あくまでも米国からの一方的な恩恵供与であり、いつ米国議会で撤回されるかわからない不安定なものであり、投資誘致には、効果的でなかった。しかし、今回の協定は、二国間の取り決めであり、また、米国の駐米への関与を公言するものでもあることから、中米の信用改善に寄与するものとされる。

2)国際機関の協力

上記のような積極的な側面の反面、NAFTAにおけるメキシコ農民の生活が不安定になったことと、同様な問題が中米で起きるものとされている。そのため、世界銀行の中米ユニットでは、昨年、CAFTAの中米農業・水産セクターへの否定的な見解を発表している。しかし、今年6月のウォルフォビッツ総裁への交代により、「CAFTAは、教育、保健といった社会的側面に配慮し、農業セクターの競争力を高めることで、地域の成長に寄与する。」とし、CAFTAを成功させるために弱点とされた分野への援助を強化する方向に論調が動いている。

3)小国の開発戦略

中米のような小国が開発戦略を描く上で、どのように世界市場につながり、経営資源(技術、情報、資金、人材)の競争力を高めていくか、というテーマは、重要課題である。BRICSまたは、それに順ずる大国(例:メキシコ)と異なり、国際社会での発言力をもたない小国は、機動力を生かして機を見るに敏な政策決定を行うことが、数少ない武器の一つである。今回のCAFTAも、米国での批准を受けて、ボールは、中米諸国に渡った。批准を引き伸ばして、批准のための対価を高めるのもよいが、延ばしすぎて、機を逸すると、まったく外交カードとしての意味を失う。

2005/07/25

東京オフ会に出席して/援助は現場で起きている

NY国連フォーラム及びDC開発フォーラムの皆様、

オフ会幹事をしておりました国連フォーラム幹事の荒川と申します。

先日はお忙しい中、参加して下さった皆様、どうもありがとうございました!予想を大きく上回る数の方にお集まりいただいたおかげで、会が盛況に終わり、幹事の1人として、とても嬉しく思っております。この場をお借りしまして、ご協力いただいた皆様に私からも御礼の言葉を申し上げます。

一次会及び二次会ともに、肩書きや年齢などの壁を越えて、共通する関心の元に集まった方々が、活発な意見交換を行える場となっていたように思います。「壁」を越えて人を繋ぐインターネットの利点を生かした両フォーラムの活動の意義を改めて感じることの出来た一晩でした。

その一方で、私もよしはらさんや大島さんと同様、人と人が顔を合わせることや場を共有することの大切さを改めて感じました。顔を合わせたことで、参加していただいた皆様にはメーリングリストも、より身近な存在になったのではないでしょうか。

受付等をしていたため、残念ながら、全ての方の自己紹介を伺うことができなかったのですが、伺った方々の自己紹介はそれぞれの方の個性が出ていて、大変勇気付けられる印象的な自己紹介ばかりでした。特に、若い方々が、目を輝かせながら、ご自身について、語られていたことが心に強く残っています。

今後も定期的にニューヨークやワシントンDC以外の場所でも、このような機会を継続していけたら、新たな出会いや新しい価値観が生まれるきっかけにつながるのではないかと思いました。

末尾になりますが、一番最初に合同オフ会を提案して下さったワシントンDC開発フォーラム幹事の嶋影さん、大島さん、そして、両フォーラムの幹事を兼任されている粒良さん、どうもありがとうございました!
私自身もこれから開発を勉強する一人として、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。本当にどうもありがとうございました。

今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

荒川麻衣子
ニューヨーク国連フォーラム幹事/ウェブ担当

東京オフ会に出席して/援助は現場で起きている

DC開発フォーラム、NY国連フォーラムの皆様

DC開発フォーラム・NY国連フォーラム合同東京オフ会の幹事を務めさせていただきました、大島千枝です。参加者の皆様におかれましては、お忙しい中ご参加いただき、誠に有難うございました。最終的に、1次会、2次会も含め75名以上(!)の大盛況となり、ご協力いただいた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

ワシントンDCにいた頃は、その土地柄のせいか世代や組織を超えて自由に議論する機会が多かったのですが、日本に帰ってきてそのような機会がぐんと減ってしまい、少し寂しい気持ちがありましたが、今回のオフ会で志を同じくする方々にお会いできて、大変励まされました。よしはらさんがご指摘されたように、やはり、メールは遠く離れた人同士を結び付ける便利なツールではありますが、直接会って目を見て話さないと、真の信頼や共感や感動はなかなか生まれてこないのではと改めて感じました。

今回のオフ会は、社会人と学生が大体半々でしたが、紀谷さんがおっしゃるように実務者・研究者と若手の人たちをつなぐチャネルでもあったと思います。私は現在途上国開発とは関係のない銀行業務に関わっておりますが、将来どういった形で途上国に関わっていけるのかという新たな視点を発見できたり、皆さんの「夢」を伺って刺激を受けたりしました。

私自身、新たな出会いがあったり、久々の再会があったりと、大変楽しい時間を過ごさせていただき、直接的な人と人のふれあいの場の重要性を再認識しました。また、このような機会を設けられればと思っております。
改めて、ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。有難うございました。今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

大島千枝DC開発フォーラム/ラテンアメリカネットワーク

東京オフ会に出席して/援助は現場で起きている

みなさま よしはらけんご@外務省です。

小生の場合、胆石の治療のため、その日の前日退院したばかりでしたので、冒頭挨拶だけさせてもらって失礼しました。印象としては、老若男女含めダイヤの原石で、かつどん欲に自分を錬磨し続けているひとの集まりだという印象をもちました。ですので、話が長くなると言うことからポイント3つに自己紹介をしぼったのは妙案でしたが、最後をみていないのでうまくいったのでしょうか?

あと、紀谷さんが喝破されたように、ここはあくまで参入、退出自由のゆるやかな連合体です。ただ、ML上は本質論、高度な学術論になるとツリー(投稿に対する論争、問題提起)がぶらさがらなくなり、議論が続かない印象がありますので、オフ会はどんどんやった方がいいのだろうな、と考えます。小生は、ネットや衛星等高度な情報伝達の手段の活用も大事ですが、ひとを説得するのはやはり、ひとの五感に(食欲、目、鼻など)に訴えるものを介してだろうと考えていますので、大いに飲み、談じることが大事と考えます。

小生も、こどもが2歳弱ですので、前回は到底行けず、今回を逃すとオフ会に出るチャンスがないと、無理を押して参加してみた次第です。学生の方もそうでしょうが、結婚してこどもが出来ると会費は5千円をこえると出席にためらいが出ます。その点でも価格設定はよかったと考えます。

小生も、外務省では本省勤務しかありませんが、フィールドワークを重視しており、
地球環境課時代は、下手な自然保護官より現場を知っている、と環境省の方にも言って頂けるように最前線を徘徊していた次第です。 

冒頭だけ出席して印象めいたことだけですが。

(以上)

東京オフ会に出席して/援助は現場で起きている

DC開発フォーラム、NY国連フォーラムの皆様

在バングラデシュ日本大使館の紀谷@東京(一時帰国中)です。7月22日(金)夜に、DC開発フォーラム・NY国連フォーラム合同東京オフ会に出席させていただきました。

一次会60人以上、二次会35人以上の大盛況で、これまでメールでしか存じ上げていなかった多くの皆様とお会いすることができました。本オフ会幹事の大島千枝さん、荒川麻衣子さんをはじめスタッフの方々におかれては、企画・運営いただきどうもありがとうございました。また、両フォーラムの趣旨に賛同して、ご多忙の中ご参加いただいた多数の皆様こそ、今回のイベントを楽しく有意義なものとして盛り上げた主役だったと思います。

席上、JICAの戸田隆夫さんの司会のもと(以前DC開発フォーラムBBLでも司会を担当されていました)、DC・NYフォーラムの概要説明、吉村世銀副総裁兼駐日特別代表からのエールの言葉に続き、60人以上の出席者全員から、氏名・所属とともに、自分が実現したい「夢」の紹介がありました。

特に、多くの大学院生・大学生より、世界の貧困の問題に強い関心を持ち、ライフワークとして取り組みたいという「決意表明」があり、実務者としてこの分野で頭を悩ませながら仕事をしている私自身にとっても、大きな励みになりました。将来、このような人たちが、日本の、そして世界の開発問題への取り組みを担っていくのでしょう。

学生の皆さんの中には、中学生の頃から開発の仕事をしようと思い、学部からカナダの大学に入って政治学・開発学を勉強しながらNGOにも関わり、今回一時帰国中ということで参加された方、あるいは大学4年生で来春から青年海外協力隊に入って現場にまず飛び込もうと準備されている方など、それぞれしっかりとした考えを持って第一歩を踏み出されています。私自身、大きな組織の中にあっても、このような初心を持って仕事を始める人と、気持ちを共有していくことが大事だと感じました。

私からは、DC開発フォーラムの幹事の一員として、同フォーラムの概要説明をさせていただきました。2002年3月のフォーラム発足から3年以上が経ったこと、DCでのBBLが継続する一方でパリ、ロンドン、ジュネーブ、NY、途上国にも拠点が広がっていること、更には東京でもGRIPSやFASIDとの連携に加えて、今回のオフ会など参加者が徐々に増えていることを説明しました。

組織・場所・世代を超えて、「グローバルな開発戦略と、日本そして私たち個々人が果たすべき役割」について率直な議論を行い、刺激し励まし合い、行動につなげていくためのオープンなネットワークとして、今後とも本フォーラムは独自の付加価値を提供していけるのではないかと思います。

特に、人材育成という面で、第一線の実務者・研究者の問題意識や悩みを、若手の初学者の人たちに直接伝えるチャネルになると思います。逆に、若手の人たちには、このような機会を是非活用いただくとともに、単なる受益者にとどまらず、新たな発想で問題提起や情報提供をいただくことを期待しております。
幹事や他の参加者の皆様は、今回のオフ会に出席されてどのようなご感想をお持ちでしょうか?また、今後の活動のあり方についてどのようにお考えでしょうか?今後の本フォーラムの活動の参考のためにも、お時間がありましたら伺えれば幸いです。

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別件ですが、オフ会当日の昼に、FASID国際開発援助動向研究会で、「援助は現場で起きている-ODAの現地機能強化をどのように推進すべきか-」とのテーマでプレゼンテーションと議論を行う機会をいただきました。(ちなみにこのテーマは、「踊る大捜査線」で主役の青島刑事(織田裕二)が「事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こってるんだ!」と叫んだ気持ちを、外務省経協局・現地機能強化班長の上田奈生子さんが汲み上げて使い始めたものです。)

プレゼンは、バングラデシュ現地での実務の視点と経験から、ODAの現地機能強化のあり方につき問題提起することを目的に、「現地で何が起きているのか」「現地でどのように対応しているのか」「構造的な問題は何か」「今後の具体策は何か」との4部構成で行いました。

今後の具体策については、(1)「政策」面では「内なる改革」への組織的な取り組み、すなわち決意の表明、関係者の巻き込み、担い手の明確化、成果の検証、(2)「人」の面では既存要員の能力強化と外部要員の活用、人こそが付加価値の源泉との発想のもとでの中長期的な育成戦略、(3)「情報」面ではインターネットの徹底的な活用、世界と日本の知恵の深化(内なるフロンティア)(4)「スキーム」面では情報の整理、簡素化・統合、予測可能性の向上について問題提起を行いました。

引き続いての議論では、人間の安全保障の実施面での課題、開発関連の日本の機関と国際機関の人事交流の重要性、NGOとの連携のあり方、現地で必要とされる人材の要件、要望調査の改善策、情報・知見の組織的な保持と活用(institutional memory)の必要性、中央と現地のマネジメントのあり方、ドナー協調が進展する中でのオーナーシップ強化の課題、外交と開発の関係などについてやりとりがありました。

本件にご関心がありましたら、冒頭パワーポイント・プレゼンテーション資料と関連席上資料へのリンクを、取り急ぎ次のウェブサイトに掲載させていただきましたので、ご覧いただければ幸いです。(追ってFASIDに議事録を作成いただける予定です。)http://www.kiya.net/articles.htm

また、現地機能強化については、本年2月に策定されたODA中期政策を踏まえつつ取り組みが進められているところですが、様々なお立場やご経験から、現状の問題点のご指摘や今後の具体策のご提案などありましたら、断片的なものでもお気軽にお教えいただければ助かります。今後の取り組みに極力反映させていきたいと考えております。

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更に別件ですが、7月25日(月)の昼にFASIDで、「グレンイーグルズ・サミットにおける開発問題」をテーマにBBLが開催される由です(講師:外務省経済協力局参事官・佐渡島志郎氏)。本フォーラムのテーマと深く関わっていると思いますので、ご参考までにお伝えします。

http://www.fasid.or.jp/chosa/forum/bbl/annai_132th.html


また、久しぶりの日本でテレビを見ていたら、23日(金)晩に、NHKスペシャルで「ナイジェリア石油争奪戦」という番組をやっていました。私自身15年前にナイジェリアに2年間勤務したこともあり興味深く見たのですが、石油収入が得られる一方で政府の汚職などのため貧困削減が進まなかった構造、石油を巡る米国とナイジェリアの戦略的関係、石油産出地域の不満による国内対立、政府首脳レベルの決意による汚職対策の進展振りなど、アフリカの開発問題の重要な諸側面をわかりやすく描いた良い番組と思いました。アフリカを巡る日本での議論も、このような多角的な視点からの理解と議論が深まり、更なる取り組みが進むことを期待しております。

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最後に、NY国連フォーラムの荒川さん、今回の幹事に加えてウェブサイトの立ち上げありがとうございました。阿部軍縮担当国連事務次長のインタビューも、早速写真つきで掲載されていて、まさにNYに拠点を置くネットワークならではの発信ですね。フィールド・エッセイの展開も楽しみにしています。

長い投稿になって恐縮です。読んでいただきありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

<お知らせ>NY国連フォーラムウェブサイト

ニューヨーク国連フォーラム・ワシントンDC開発フォーラムの皆様

本日、東京合同オフ会にご参加いただきました皆様、大変おつかれさまでした。記念すべき第一回合同オフ会が皆様にとって有意義な会でありましたなら幸いです。吉村世界銀行副総裁におかれては、ご多忙の中、 ご足労いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りして、改めて感謝の意を述べさせていただきます。この会を機に、両フォーラムの結びつきが一層、強化され、新たな動きが生まれる原動力となることを願います。

さて、今般、ニューヨーク国連フォーラムでは新たな活動の一端としてウェブサイトを立ち上げました。下記のリンクよりご覧ください。早速、 「お気に入り」にブックマークして頂けますと幸いです。

http://unforum.org

メーリングリストのアーカイブとしての従来のBlogに加えて、過去の勉強会の記録(近日掲載予定)を始め、メーリングリストと連動させた、新たな 企画を閲覧することができます。

1)国連フォーラム・インタビューシリーズ

国連を含む国際機関の活動に貢献してこられた方々、国際社会が直面する問題について深い知見を有する方々などに、これまでのご活躍について国連フォーラムが独自にインタビューを行います。

2)フィールド・エッセイ

国際機関のフィールド・オフィスで活躍されている若手の邦人職員の方々に、現地での活動の様子をエッセイ形式で綴っていただきます。

今後とも、国連フォーラムの活動展開にどうぞご期待ください。

ニューヨーク国連フォーラム幹事一同

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾

国連フォーラムの皆様、

こんにちは、OCHA人間の安全保障ユニットの長島由華です。ここ何日かひどく湿度が高かったニューヨークも、昨日と今日は少し落ち着いていて、なかなか気持のいい日です。
NY国連フォーラム・インタビューシリーズの第一弾。NPTという非常に大切かつ難しい問題でしたが、阿部事務次長がとても分かりやすくお話ししてくださったので、私のような完全なる門外漢も興味深く読ませていただきました。そして、インタビューの内容からは少しずれてしまいますが、読ませていただいて、門外漢なりにこんな事を思いました。

今のところ世界で唯一の被爆国である日本は、これからもその体験と核反対のメッセージを世界中の人びとに伝えていく努力を地道に続けていくしかないようですね。ただとても心配なのが、日本のその地道な努力が実を結ぶ前に同じような悲劇が再び起きてしまう可能性が、現在の世の中には十二分にあるという事です。そうならないために、私たちにはいったい何ができるのでしょうか?

以前、ワシントンDCの国会図書館で国宝展を見た事があります。そこにはベーブ・ルースの野球バットやスーパーマンの漫画と並び、ニューメキシコ州で行われた世界初の核実験後のキノコ雲の写真が展示されていました。それを見て私はものすごく驚きましたが、アメリカ人や他の国の友だちにその事を伝えると、「なにがおかしいの?科学的功績なんでしょ?」と正当化されてしまいました(まさしく長田さんのコメントそのままです)。それを聞いてさらに驚きましたが、それと同時に「ああ、被害者である日本人が直接伝えていかなければ、原爆の恐ろしさと苦しみは他の人たちにはなかなか伝わらないんだな」と痛感し、とても悔しい思いをしたのを覚えています。

例えば、私が小学生のときに読んだ『はだしのゲン』は今や各国語に翻訳されているようですし、これからも更にいろいろな媒体/方法を通じて体験談が受け継がれて行く事を祈っています。また、それらの努力が無にならないように、もっと積極的で世界的なキャンペーンを行っていく必要があるのかもしれません。そしてさらに、私たち自身が長崎・広島での歴史に関心を持ち続けて語り継ごうとしなければならず、だからこそ私たちの世代が歴史をしっかりと勉強し、感情論ではなく現在の状況も含めた総合的な視点で世界に伝えていかなければならないのでしょうね。

これからの世代と世界中にこの体験を伝えるために、NPTやCTBTそして核抑止などと平行して、もう一度歴史をさかのぼって勉強をしてみようと思わされた、インタビューシリーズの第一回目でした。

長島

「国連フォーラム・インタビュ ーシリーズ」第一弾

小谷さん、田瀬さん、長田さん、片桐さん、NYフォーラムの皆さんへ

コロンビア大学を修了し一時帰国中の中村秀規です。 貴重なインタビューとコメントの投稿をありがとうございます。

インタビューを拝読してまず、現在、実際に核兵器が国家、非国家それぞれのアクターによって使用されるリスクはどの程度あるのだろうかと考えました。インタビュー中に説明のあった、核不拡散と軍縮との、一方が進まなければ他方も進まない膠着状態を打破するようなインセンティブが生まれるほどは、認知されているリスクが大きくないのではないか、と考えました。一方で、冷戦後、とりわけ9/11以降、非国家主体への拡散が危惧されており、また「政治的道具」としての保有のみならず、報復として、または肯定的な価値を持った死の贈与として、使用それ自体を目的とした獲得も可能性としては否定できないかと思いますが、こうした実際の不確実さの程度がよくわからないと感じます。今後実際に核が使用されるまで、核の透明な管理に向けての動きが進まないのでしょうか。核拡散や核管理の不備が実際に核使用のリスクを高め、また非国家主体による破壊行為に対して少なくとも核を使用して応ずることはできないと、核保有国によって認知されうるなら、不拡散と縮減とを同時に進める可能性があるのではないかと考えました。

中村秀規

2005/07/20

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾

皆様、

ペンシルベニア大学の片桐と申します。長田様、小谷様、非常に有益なご投稿をどうもありがとうございました。長田様のご意見は私の専攻にある程度関連しているので、今回は短いですが珍しく議論に参加できたらと思います。難しい問題なので、部分的にですがお答えします。

長田様の第一の問題点である、文民統制の懸念は非常に良い点で、よく思われるのとは逆に、「実際は軍人が戦争に対してより注意深く、逆に文民が戦争に走りやすい」という考えに沿っています。確かにアメリカに核不使用の保障がない事、そして有事の懲罰メカニズムの欠陥は心配の種です。しかしながら国家のリーダーはほぼ常に理性的です。通常兵器の使用にも増して、核兵器の場合はなおさらです。一般的にブッシュならびに現政権の安保チームは核兵器の使用に関しては高度の理性を見せており、威嚇・抑止を目的としての「政治的道具のための核」と呼ばれる理由はここにあります。阿部国連事務次長のご指摘もここにあるのだと思います。

しかし話を一歩進めますと、実際アメリカのような国家が核を使うという状況を予想するのは非常に難しいと思われます(911で2000人以上の犠牲者を出し、不屈の自由作戦展開中にも現在のイラクでも小型核を使う機会が何度もあります)。いわゆる「政治的道具のための核」、「最後の手段としての核」という問題ではなく、核兵器は脅しとしての利用価値さえも疑われる武器として考えられると思います。その圧倒的な破壊力とそれに伴うコスト(外交的孤立、経済制裁、報復の可能性、評判など)を考慮する場合、軍事的な効果を除いて核兵器の政治力は最小限だと思います。このような理由から私は核使用に対して楽観的であり、問題視するべきなのは、より抑止の効きづらい通常兵器の使用だと思っています。

長田様の第二の点に関しては同感です。テログループの経営側を除く多くのテロリストエージェントにとってはアメリカの核反撃に基づく抑止は効果が低いでしょうし、この点で今後もアメリカは問題を抱え続けると思います。
>3.核廃絶後の核抑止体制と安全保障体制について、軍縮関係者はどのようなビジョンがあるのか興味を感じました。もし国家が核を持たない世界秩序が実現するとしたら、核兵器保有の防止と懲罰は現在よりも一層厳格かつ迅速になる必要があると思いますがどうでしょうか?

私は軍縮専門家ではありませんが、核廃絶後の世界が仮にできたとしても、考えられるのは国家が核とは別のいわゆる「絶対兵器」を開発、配備し、冷戦中見られた相互確証破壊が別の種によって維持され、結果として軍事均衡が守られる形になると思います。通常軍備による一部の国家の連合が核拡散レジームに介入し防止するという考えは理解できますが、ではそれらの間での紛争は核という(もしくは他の型の)絶対兵器なくしてはエスカレートする力が強まり、軍縮とは逆の、いわゆる軍拡の方向に向かってしまう可能性も考えられます。長田様が最後に仰られる「核にあふれた世界は危険ですが、核のない世界も厄介に思われます。」の点は理解でき、基本的に同感なのですが、核以外の兵器(通常兵器含む)でも軍事抑止を維持する事が可能だと思われ、長田様の懸念に対する答えとしては、強国が通常兵器以外の兵器を配備し抑止しあい、結果としてバランスが形成されると思います。

国際安保学に出てくる概念をここで一つ紹介したいと思います。Glenn Snyder という政治学者が出した案で、stability-instability paradox というのがあります。何を意味するのかというと、核戦争は常に相互確証破壊によって抑止されています(従って stability)が、通常戦争はその上限度を知らず、国家は核使用のレベルにエスカレートするまで通常兵器の使用は許される、従って通常戦争の可能性が高まる(従って instability、という逆説です。

これらの考えはいずれにしてもテロリストに対しては大した問題にはならないとは思いますが、彼らの打倒の為核は必要なく(そしてコストが高く)、通常兵器の大掛かりな使用が中心になると思います。

駄文失礼しました。

片桐範之

Warmly,Noriyuki (Nori) Katagiri, Mr.Ph.D. student, Dept. of Political Science University of Pennsylvania http://blog.drecom.jp/norinorimissile 

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾

NY国連フォーラムのみなさま。

田瀬@国連事務局・人間の安全保障ユニット

阿部局長におかれてはお忙しい中インタビューを受けて頂いてありがとうございました。また、軍縮局でインターンをされている小谷さんにおかれては記録をきちんとまとめて頂いてありがとうございました。「国連フォーラム・インタビューシリーズ」については今後もいろいろな方々にお話を伺って、これをMLと近々立ち上げるフォーラムのホームページで(こちらは写真入りで)紹介したいと考えています。

今回、第一段として阿部局長にお話を伺ったねらいとしては、「軍縮・不拡散」という国連の活動が、その内容が(こういう言い方は失礼かもしれませんが)地味で、時間がかかり、かつ一見して非常に難しそうなので、安保理改革やPKOなどの話と比べるとなかなか華やかな議論にならない、しかし極めて重要でなおかつ日本が大きく貢献している分野であるのでフォーラムで議論してみたい、ということがありました。阿部局長からは非常に明快なお話を伺うことができて、私自身たいへん勉強になりました。

長田さんからも興味深い投稿がありましたが、私は次のような感想を抱きました。私も軍縮不拡散については門外漢ですので誤解等があったらご指摘下さい。

1.まず、軍縮不拡散はほかのどの分野にもまして「辛抱強さ」が必要な分野だと思いました。多数決にすると分離する国が出てきちゃうのでコンセンサスルールを貫かざるを得ない、一方それで物事が動かないのでマルチラテラリズムそのものの信頼性が損なわれようとしている、しかしほかに機能する枠組みはおそらく存在しない、というジレンマの中で、自国の国益を守りながら国際的な規範を作り上げるのは本当に厳しい世界だと思います。開発や安全保障などいずれの分野においても「国連で行われている議論は無意味だ」といった批判がありますが、私は、時間がかかっても少しずつでも「ルールづくり」をすることが、10年後、20年後の世界の形を明確に変えていくものと信じています。その意味で、軍縮不拡散への取り組みは、厳しいですがやりがいのある活動だと感じます。

2.アメリカというのは不思議な国だと思います。民主主義の高い理想と自分のことしか考えない貪欲、すごくいい面と悪い面がそれぞれの両極端で共存していて、生活していても自分のポジションをどこに置くべきか、考えはじめると実はとても難しい国なのかもしれません。阿部局長はこれからどこかの国が核を使うとすればそれは非常に乱暴な独裁国家だろうと述べておられますが、私は次があるとすればやはりそれがアメリカである可能性は排除できないと思います。乱暴な独裁国家は核を使用することで生じる報復の結果を容易に想像できるでしょうからむしろ使わないのではないか、逆に長田さんのおっしゃる通り、米国の政治や世論には自国の安全を守るためには他の国の犠牲は仕方がないという風潮が確かにあるので、歴史が繰り返されるのではないかという懸念を感じます。

3.また、これも長田さんが言及されていますが、今後はテロリストをはじめとする非国家主体の存在が無視できなくなってくると思われ、そのことがアメリカを含む大国の立場に大きな影響を与えるんだと思います。原子力供給国グループのように、軍縮・不拡散の多数国間の枠組みにおいて、テロや民族紛争といった要因をシステミックに取り込んでいくことが今後ますます重要になってくるのだと思います(すみません、他にどのような取り組みがなされているかまったく知らないままに言ってます)。

4.日本はこうした難しい枠組みの中で相当に大きなリーダーシップを発揮してきていると感じます。ただ、日本の人々、特に若い人々がそれを知っているかというとそうでもなく、安保理やODAの華やかな議論にやや隠れてしまっている感があるように思います。特に安保理改革の議論においては、日本が軍縮不拡散分野で果たしてきた役割がもっとクローズアップされていいのではないでしょうか。

まとまりがあるわけでもなく駄文ですみません。また投稿いたします。みなさまのご意見が伺えればと思います。

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾


NY国連フォーラムの皆さんこんにちは。

 ラトガーズ大学の大学院の長田です。小谷さん、非常に興味深い投稿、ありがとうございました。ぼくは軍事問題は専門ではありませんが、いくつか思ったことを書かせていただきます。

1.阿部信泰国連事務次長のアメリカの核使用に対する態度についての評価ですが、アメリカ社会の軍事力行使一般と核使用についての認識はどのくらい楽観できるものなのか、疑問を感じました。その理由の一つはアメリカは軍事力のいわば「アウトソーシング」、一種の傭兵化を進めていることです。徴兵制を廃止して以後のアメリカ軍兵士の出身階層が貧困層に偏ってきていること、民間軍事会社(PMF)の利用を進めていることなどを思うと、アメリカのマジョリティが戦争を自身の負担としてとらえる動機は弱まっているのではないか、と思いました。ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツなど戦場に行ったことがない人々がイラク戦争を決定した、ということが、将来のアメリカの、戦場での現実を知らないタカ派による軍事力の乱用と疲弊を示唆しているように思われますが、どうでしょうか。ブッシュ政権は小型核兵器の使用についての研究も決定していますよね。また、多くのアメリカ人は依然として日本への原爆投下を正当化しています。原爆はアメリカの科学技術と物量の優位に基づく軍事的優越のシンボルとしてアメリカ人には受け止められぁw)€トいるように思います。

 要するに、アメリカ人の大半は自分達は戦場に行くことはないし、科学技術と物量で優越しているアメリカは原爆を落とす側で落とされる側ではない、という認識が強固で、そこには核の保有と使用を放棄する契機が弱い。これがどう変わるか、どう変えるかが鍵だと思います。

2.こうしたアメリカ側の認識は、核の小型化と小規模集団による核自爆テロの危険性が国民レベルで感じられてようやく変化するかも知れませんね。自分が死んでもいいと思っている相手にはアメリカの核抑止は効かないですから。情報化と共に大量破壊兵器の知識もオウムのサリンガスの知識のように必然的に非国家アクターに広まるでしょうが、その時一番狙われるのがアメリカだと思います。

3.核廃絶後の核抑止体制と安全保障体制について、軍縮関係者はどのようなビジョンがあるのか興味を感じました。もし国家が核を持たない世界秩序が実現するとしたら、核兵器保有の防止と懲罰は現在よりも一層厳格かつ迅速になる必要があると思いますがどうでしょうか?

 現行の国連システムやコンセンサス方式では迅速な対応は難しいでしょうから、通常軍備による一部の国家の連合が今以上に介入の度合いを強めることになるのではないでしょうか。「民主国家」の連合が戦争を抑止する、ということでしょうか。

 また、テロ組織を排除できない破綻国家へのてこ入れと介入のレベルも高まる必要があります。核にあふれた世界は危険ですが、核のない世界も厄介に思われます。

4.日本の役割ですが、自国の教訓とアメリカの認識のギャップをどうやって埋めるか、日本側からアメリカ側への原爆投下についての認識をどう改めさせるかについて、フォーラムの皆さんはどのような意見をお持ちでしょうか?

 日本は安保同盟の活動の一環として大量破壊兵器問題での意見交換を行って、核がアメリカに対して使われる危険性への認識をアメリカ側に喚起していくことはできると思います。

 以上です。長文失礼しました。


Tatsuya Nagata
PhD Student in Global Affairs,
Center for Global Change and Governance,
Rutgers, The State University of New Jersey, Newark

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾・パート4(最終回)

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾 ┃
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●阿部信泰国連事務次長 (軍縮局担当)●


ーーー昨日送信されたパート3からのつづきーーー


5.米国

Q.この分野でのアメリカのリーダーシップの重要性とは何でしょう?同盟国として

日本ができる役割とは何だとお考えですか?

A.今回の会議に限って言えば、アメリカはおそらく核不散、特に北朝鮮・イランが核計画を進める問題を止めようという政策目標があったと思うのですけれど、会議で何ができるのかを冷静に政治学の手法に基づいてシミレーションをしてみれば、その目標は達成できないという結論に達したと思うんです。コンセンサスルールですから
イランが反対をし、北朝鮮に同調する国なんかが反対したら何ら強い方針が出せないと読んだんだと思うんです。

同時に、逆にアメリカに対して核軍縮をもっと進めなさいという要求が出ることが予想されていたのですが、アメリカは国防省を中心に、今これ以上はっきり約束はできないという議論が非常に大きい。彼らも会議に臨むにあたってここは守らなきゃいけない、ここは取りたいという立場があったはずですが、分析してみると取る方は取れそうにない、そうなると守る方で譲ることはないという結論に至ったんじゃないでしょうか。現政権の中心的考えは、世界の民主主義・自由経済体制の維持にはアメリカが強くなければいけない、そのためには核も持たなくてはいけないというものなんです。ですのでそれを制約したり軍縮を進めようという議論については、今は気にし
ない方がいいという結論になります。今の核軍縮の状況を前に進めるためには、アメリカが考え直してくれないといけないですね。

しかし核兵器は非常に威力の大きい兵器で、どんなに小さく改良しても、相当の放射性物質による被害がでるわけです。そう考えるとアメリカのような文明国にとっては非常に使いにくい兵器なんですよ。しばらく前にNATO軍のコソボ空爆で、民間人が何十人と乗ったバスが誤って爆撃され被害が出た時にも、アメリカ国内でこういう攻撃はやめるべきだと大きな反響が出たんです。しかし考えてみると世界中にこんなに自国の戦争のやり方を批判できる国なんてそうないですよ。考えてみて下さい、太平洋戦争中の日本でそんなこと言ったらどうなりましたか?旧ソ連時代のソ連でそんなこと言えますか?

ですからいろいろ批判はありますけど、アメリカっていうのは人道的な問題、戦争による被害は最小減にすべきだという意見が非常に強い国なんです。そういう国であればあるほど核兵器が使えない。おそらくこれからどこかの国が核兵器を使うとなると、やっぱり非常に乱暴な独裁国家でしょう。今の共和党の政権は戦争を遂行するため悪いニュースは抑えようとしている。でも残りの半分の民主党はものすごく強く批判しています。少なくともそういうことができる国では核兵器はやっぱり使いにくいんです。私は、アメリカの長期的利益から言えば核兵器はなるべく使わないように、できるだけ早く減らすように、リーダーシップを取ったほうが賢明だと思います。そういう風にアメリカが考えを変えてくれれば軍縮・核不散分野で世界を引っ張って行けるしね。しかし今は残念ながらそういう考えが主流を占めていないんです。

日本は非常に難しい立場にあって、同盟国ですからアメリカの軍事力にも依存して防衛をする。その中には核戦力もあるわけで、今からそれを全面的に批判するわけにもいかないんですね。にもかかわらず、日本としてはやはり、国民の過去の体験、現在の世界情勢、それから先ほど申し上げた人道問題に関する先進国としての立場からすれば、やはり核はできるだけ減らして、しかもできるだけ早い時期になくす方向にもっていった方がいいんじゃないかという考えですし、それをアメリカに根気強く説得すべきではないでしょうか。そういった意味でも日本は、核実験禁止条約は早くアメリカも批准すべきだと常に訴えているんです。ですから同盟国であるけれど言うことは言うのが大事なんじゃないでしょうか。すぐには効果は出ないかもしれませんけど、長いこと言い続けるのが大事ですね。

(了)

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フォーラムに参加されている皆様からのご意見・感想等をお待ちしております。

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾・パート3

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾 ┃
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●阿部信泰国連事務次長 (軍縮局担当)●


ーーー昨日送信されたパート2からのつづきーーー

4.軍縮・核不散分野で国際社会の現体制が抱える問題

Q.近年のマルチラテラリズムの機能の低下が叫ばれていますが、その原因とは? 各国のNPTの信頼が、今回の会議の結果により揺らいでしまったと思われますか?NPT体制全体に直に崩壊の危険が高まったと言えるのでしょうか?軍縮を求める非同盟諸国対一国主義的なアメリカ対マルチを好む欧州などの対立の原因、コメントをお願いします。

A. 今回の会議が上手くいかなかったのは、非常に厳格なコンセンサス・ルールがあって、一国でも反対すると会議が進まなくなる、というのが大きな要因の一つでしょう。これはジュネーブの軍縮会議がなかなか進まないのと同じで、手続き問題決定すら全員意見が一致しないといけないのです。このコンセンサス・ルールを変えようという動きがありますが、変えるのにもまたコンセンサスでないといけないのでなかなか動かない。コンセンサス・ルールは軍縮問題のように安全保障という国家の存亡に関わる非常に重大な問題については、ある意味ではやむをえない面もあります。

軍縮は国家の防衛という主権の中心となる問題なので、もしコンセンサス・ルールを緩めて多数決で決めても、おそらく反対国は離脱してしまうでしょう。そうすると仮に核兵器をやめようという決議を2、3の国が反対したにもかかわらず多数決で通しても、これらの国は核を持ち続けるかもしれない。そうすると何の意味もないんです。ですからそういう国に結論に従ってもらうには、やはりプロセスに入れなくてはいけない、やはりコンセンサスが必要になるというジレンマにあるんです。そこをどう克服するかが非常に難しい問題です。
北朝鮮のように一度コンセンサスで決めても離脱してしまう国もありますが、現システムでは抜けちゃうとどうしようもないんです。そこをどうするか。一つ言えることは、こういうマルチラテラリズムでNPT会議をやって何も結果が出なかったのは物事の流れとしては当然しょうがないので、関心国だけが集まって何かをしようという動きが強まるのはもう避けがたいということです。拡散安全保障イニシアティブ(PSI)の推進は、会議が失敗した状況を踏まえるとまったく好ましくないとも言えない。この動きがNPTと同じ方向に進み、条約を補完し強化する限りは悪いこととは言えないですね。

他には原子力供給国クループ(NSG)っていうのがあります。これは基本的に原子力関連資機材・技術の輸出管理ですけど、テロリストを匿っている疑義のある国などには流さないように規制を強化する。これは基本的にはNPTの趣旨に沿うわけですが、現実には疑惑を否定する国にも輸出が制限される可能性があり、それらの国は核の平和利用の権利が侵害されると不平を言っている訳です。その辺りの線引きが難しくなってくるんです。現状は輸出側が正しいと思う所で線を引いているのですが、輸入する側も話しあいに加わって公正に線を引くべきだと言う議論があります。それはまさに今回の会議で検討すべき項目だったんですが、それを含めて何も結論が出ずに終わってしまった。そうすると、皆で集まって結論が出なかったんだから自分らでやるしかない、となる訳です。

だからといってNPT体制が崩れるかと言うとおそらくそうはならないでしょう。但し、あきらかに信頼は薄れるだろうし、NPTに入る意味を疑問視する声は益々強まるでしょう。例えばエジプトのような国はそういう考えをもっているんですね。「自分はNPTに入ったために色んな輸入輸出制限を受ける、IAEAの査察も受けなきゃならない。なのに隣のイスラエルは条約に入ってないから特には問題はないとされ、核も持っているらしいし、まったく野放しになっている」と、不満は強まる訳ですよ。それが、エジプトが今回の会議で非常に抵抗した基本的な原因です。

それから、例えば北朝鮮が条約を脱退し核兵器の開発を進めていると、周りの国が「何で自分たちは妥協しなくちゃいけないんだ」と考えるのは自然の成り行きでしょうね。そもそも北朝鮮のような国が核への道に進まないように自分らは非常に複雑なIAEAの査察等を受け入れているのに、一体それを受けて何の意味があるのかと思うでしょうね。だんだんIAEAの査察なんてまともにやってられないといった国が増えてくる。ですから非常にマイナス効果が大きいんです。

ただし、だからといって日本等の国が政策を変更して核兵器の計画を進めるかというと、おそらくそうはなりません。やっぱり日本国民の総意がなかなかそうならないでしょう。ですからいろんな危機が訪れると言われていますけど、かといってそれはエジプトにしたってじゃあ明日脱退を宣言して核軍備が進むかと言うとそうは簡単にいかないんですね。NPTはすぐには崩壊しないと思いますが、だんだん説得力・影響力が弱まるのは避けられないでしょう。

(パート4につづく)

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フォーラムに参加されている皆様からのご意見・感想等をお待ちしております。

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾・パート2

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾 ┃
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●阿部信泰国連事務次長 (軍縮局担当)●


ーーー昨日送信されたパート1からのつづきーーー


2.国連への外務省からの出向者として

Q.日本の政府関係者が国連の要職を務めることの利点は何だと思われますか?この分野に限らず政府職員を国連に送り込むことによって日本は自国の意図を反映できるのでしょうか?

A.軍縮の関係の交渉というのは基本的には政府間の交渉ですから、軍縮問題について議論をしたり理論を組み立てたりしているのは政府関係者が多いんですね。もちろんアメリカのように民間の研究機関が発達していてそこで研究している人もいますけど、そういう人も大体は政府で軍縮もやって時々研究機関にきてやっています。政府からまったく離れて知識や技術を身につけるのは非常に難しいので、国連も軍縮関連の担当者はそういう人材のいる所からリクルートしているわけですね。私もそういう意味で採用されたわけですけれども、一旦国連に入りますと国連のために働くわけであって日本政府のためではないので、私もそういう心掛けで仕事をしています。

日本から来てここで軍縮を担当をして割とやり易いのは、日本の軍縮問題に関する方針は国連の主流の考え方に近いからなんですよ。あんまり心の葛藤もなく悩まずにできるということは恵まれていますね。これが基本的に国連の主流とは違う方針の国から来た人だと非常に難しいと思うんです。いくら建前は国連としてやるといっても頭で切り替えないといけないですしね。

3.被爆60年、世界状況の激変、国際社会にとっての脅威

Q.広島・長崎の被爆者や戦争体験者の世代の高齢化を念頭に現在、軍縮・核不散分野で国際社会が直面する脅威に、国際社会は具体的にいかなる措置を取るべきだとお考えですか?

A.軍縮というのは兵器によってどんな悲惨な目に遭うかを知ることが出発点なので、原爆であれば被爆の結果を残し、世界のできるだけ多くの人に知ってもらう、特に政治に携わったり世界の指導者になる人には是非ともよく理解して政策を決めてもらうことが必要なんです。ですからNPT再検討会議でも日本からだいぶNGOの方が来られたし、展示もしましたね。ああいうことで条約の議論をする人々にも実際どういうことなのかよく理解してもらうことが非常に大事なので、この軍縮局もかなり精力的に世界各地のNGOや研究機関とも常に連絡をとって、いくつか協力してプロジェクトを進めています。それは今後とも続ける必要があります。

被爆体験世代が少なくなっている今、広島・長崎等でいろいろ文献にしたり画像にしたり記念館に展示したりと努力をしていますが、なかなか工夫しないと難しいのです。特に今は核実験は各国もうやめてますが、原爆水爆実験は当初は大気圏内でやっていたんですね。大きなキノコ雲ができて、しかも放射線物質が落下し望ましくなかったんですが、それによって人々はみな核兵器がどんなに恐ろしい物か目に見えていたわけです。ところがあれがその後禁止されて地下に潛ってしまって、今はインド・パキスタンなんかが実験しても地震が起こるだけですね。それ以上のことは人々は理解できない。そうなってくると、どれだけの害があるかを理解してもらう工夫をいかにするのかが非常に大事です。

それを踏まえた上で核を減らし核拡散防止をしなくてはならないのですが、9・11後はテロリストが核を使うんじゃないかと非常に危機感が高まっています。あるいは北朝鮮がNPTから脱退して核計画を進めているということがわかった段階で、またはイランに核疑惑が持ち上がった時に、拡散を止めなきゃいけないと。ところが拡散防止を今回の会議で議論しようとしてもなかなか各国はそれに乗ろうとしない。なぜかというと、軍縮がそもそも進んでないじゃないかという議論があって、それが進まないならば不拡散の努力にはこれ以上協力できないという国があるからなのです。

そういう議論は当初から予想されていたので、事務総長のメッセージの中に二つの問題両方に取り組むべきこと、しかもどちらかを片方の人質にとってはならないことをちゃんと入れたんですけどね、実際会議ではまさにそういう状況になってしまった。それが失敗の基本的な原因です。事務総長は今後ともこれを克服すべきだと訴え続けます。おそらく極端な国を除いたほとんど多くの国はそうはいっても核拡散を止めなきゃいけない、そのために協力すべきだと考えているし、核兵器保有国も増やすべきではないという考え方はあるのですが、それを明確に約束しなさいと迫られると皆ちょっと待って下さいとなるんです。そこをもう少し常識論に戻して、もう少し素直に努力できる環境をつくり直すというのが重要です。

(パート3につづく)

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フォーラムに参加されている皆様からのご意見・感想等をお待ちしております。

「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾・パート1

NY国連フォーラムの皆様

このたび、「国連フォーラム・インタビューシリーズ」という新企画を立ち上げました。第一弾は長文のため、4つのパートに分けて4日間にわたりお送り致します。

同インタビューシリーズが、フォーラムのディスカッションのきっかけになれば幸いです。

NY国連フォーラム幹事小谷瑠以

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第一弾 ┃
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小谷瑠以:ニューヨーク在住 コロンビア大学


●阿部信泰国連事務次長 (軍縮局担当)●

略歴:あべ・のぶやす 1945年、秋田県生まれ。東京大学法学部中退後、67年外務省入省。軍備管理・科学審議官や在ウィーン国際機関代表部大使、駐サウジアラビア特命全権大使を歴任し、2003年7月、日本人としては5人目となる国連事務次長に就任。

国際社会の第一線で国連に関連するお仕事をされている方にインタビューする今シリーズ。記念すべき第一弾は、現在NY国連本部軍縮局にてご活躍の阿部事務次長に今日の軍縮・核不散分野について5月に約一ヶ月間開催された2005年核兵器不拡散条約運用会議(以下、NPT再検討会議)の結果も交えてお話を伺った。

私は阿部局長がトップを務める軍縮局にてこの夏インターンをしており、NPT再検討会議にも携わる事ができた。

核兵器不拡散条約は、アメリカ、ロシア(旧ソビエト)、イギリス、フランス、中国の5ヶ国を核兵器国、その他を非核兵器国と定め、究極的核兵器廃絶を目標としてこの2つのグループの役割分担を明記した多国間条約である。核兵器国は、核兵器の供与や開発製造の支援などが禁止され、核軍縮の義務が課されている。締約国である非核兵器国は核保有の権利を放棄し国際原子力機関(IAEA)の査察などを受けるかわりに、原子力の平和的利用の権利が与えられている。現在188ヶ国が締約しているこの条約は、1970年に発効されて以来、軍縮・核不拡散の礎として重んじられ、1995年5月には無期限延長が決定した。しかしこの条約の運用を検討する5年に一度の今会議は、3つの主要委員会全てにおいて実質事項に関する合意文書を作成する事が出来ず、事実上決裂した。

今会議では、本来は開会前に決定されるべき議題が、会議開始後の10日目にやっと決まった。この異常な遅れは、エジプトなどの非同盟諸国と西側諸国との意見対立の結果である。最終的には非同盟諸国が求めた論点が含まれない議題が同意され、それと共に非同盟諸国が幅広い議論が出来るよう示唆した議長宣言が出された。しかしその宣言の表現をめぐってもかなりもめ、その後も他の手続き事項がなかなか決定せず、結局実質審議が始まったは会議開始から18日目。更にそれからも私が担当した第一委員会では、各国の演説、作業文書の紹介、はたまた非難応酬で1日半が潰れた。この為実質論議及び最終文書の文言調整に当てられた時間は、第一委員会の例を挙げるとほぼ3日と極めて限られてしまった。第一委員会は委員長修正案を含む報告書に「合意出来なかった」と明記した上で本会議に報告し、会議の正式文書として提出し、表面上は決裂を回避した形をとれたが、他の委員会はそれさえも出来なかった。

ここまで最悪な会議は滅多にないと言われるほどの結果だったが、阿部局長は一貫して『この分野でやっていくには基本的に楽観的でないといけない』との立場を堅持されている。以下、同局長にさまざまな分野の問題についてお考えを伺った。

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1.軍縮局長の職務と役割

Q.通常の一日の業務の流れについて具体例を交えてお話しいただけますか?

A.今日を例として言いますと、まず出勤したら着信メールをチェックし、緊急を要するものから処理を始めます。それから今日は午前中1時間ほど事務総長室で政策委員会がありまして、そこで先月ほとんど成果なく終わったNPT再検討会議の結果をふまえて、9月の首脳レベル会議に向けて事務総長にいかに働きかけてもらうかを提言したり、他の参加者と一緒に議論したりしたんですね。これはいわば私の事務総長に対する政策的なアドバイスをする仕事の一つです。

それが終ってすぐ、軍縮局のスタッフと来年開かれる「検証に関する政府専門家会議」の出席者について相談をしました。これも一つの軍縮局の大事な仕事で、軍縮局が開く国連の会議、あるいは専門家の会議などをどのように組織するか計画を錬るんです。それが終ってすぐ地下の会議室で「国連小型武器トレーシングOEWG第3回会合」の議論を議長の隣でフォローしました。私はできるだけ会議に顔を出して動きを確認しながら、会議の大きな流れについて議長と相談します。

昼食後は会合にもう一度行きまして、会議がどうなっているかを見て4時にオフィスに帰ってきてから、国連軍縮局の軍縮センターの移転について、フィンランドの大使と相談する為にお会しました。基本的には軍縮センターといっても非常に小さな事務所で、独立維持は非常に経費もかかるしたいへんなので、アフリカセンターをトーゴから国連の事務所があるナイロビへ、現在ニューヨークにあるアジア太平洋センターをバンコクへ統合した方が能率的だということで、今検討しています。但し反対も出てくるでしょうし、意見調整をしようということで各国大使と相談しているわけです。

Q.大きな行事がある場合はどうでしょうか?NPT再検討会議での具体的な任務と役割は何でしたか?

A.NPT再検討会議のように非常に重要な会議になると私も一日中会議場にいます。そうすると先ほどお話したような局の運営の仕事は10時前か昼休みあるいは6時以降にします。期間中、会議そのものの事務局長は軍縮局ジュネーブ事務所のザレスキー氏を任命しまして、議長の隣にずっと座って議長をサポートして頂きました。その反対側に座って会議の全体の大きな流れについて議長と時々相談をするのが私の中心的な仕事でした。その他に、事務総長が初日に挨拶をしたんですけれど、会議が始まる前に事務総長室と議論をして、事務総長にこうこうこういう問題を取り上げてほしいと呼びかけてもらうよう用意をしたんですね。これも軍縮局の大事な仕事で、事務総長が会議やマスコミの前に出て軍縮問題について話すという時に、どういうプレゼンテーションをしてもらうかについて議論しアドバイスします。

(パート2につづく)

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フォーラムに参加されている皆様からのご意見・感想等をお待ちしております。

【リマインダー】 DC 開発フォーラム・ NY 国連フォーラム合同東京オフ会(7月 22 日(金) 19:00 ~)

ワシントンDC開発フォーラム・ニューヨーク国連フォーラムの皆様

DC開発フォーラム・ラテンアメリカネットワークの大島千枝です。先日ご案内させていただきましたDC開発フォーラム・NY国連フォーラム合同東京オフ会が一週間後に迫りました。現在のところ、40名以上の皆様から出席のご連絡をいただいております(実務者・研究者29名、大学院生・学部生14名ほか)。(一応の)締め切りは長い週末明けの19日中ですので、お早めにお申し込み下さい。20日には申込者に出席予定者リストをお送り致します。

まだスペースに余裕はありますので、皆様のご参加をお待ちしております。

大島千枝

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To: devforum@yahoogroups.jp, nyunforum@yahoogroups.jpFrom: "Chie Oshima" <osmc6095@yahoo.co.jp>
Date: Sun, 10 Jul 2005 01:44:42 +0900 (JST)
Subject: [devforum] 【ご案内】DC開発フォーラム・NY国連フォーラム合同東京オフ会(7月22日(金)19:00~)


ワシントンDC開発フォーラム・ニューヨーク国連フォーラムの皆様

DC開発フォーラム・ラテンアメリカネットワークの大島千枝と申します。ワシントンDCでは、先月DC開発フォーラム交流会が開催され、また、開発Happy Hour Clubも立ち上げられ、開発関係者がざっくばらんに情報・意見交換をする機会がより活発になってきたように感じます。また、ニューヨーク国連フォーラムも、昨年10月の発足後、メーリングリストでの議論、ウェブサイトの拡充など着実に発展し、今月も勉強会が開催されました。
日本でも、多数の開発・国連関係者が実務や研究に携わっていることから、今回初めて、ワシントンDC開発フォーラム・ニューヨーク国連フォーラム合同の東京でのオフ会を企画させていただきましたので、ご案内申し上げます。

合同オフ会には、東京近郊に在住・一時帰国中の幹事/アドバイザーも多数出席する予定です。現在のところ、バングラデシュ・モデルの紀谷さん、GRIPS開発フォーラムの大野泉さん、JICAの戸田さん、財務省の長谷川さんと玉川さん、紛争と開発ネットワークの里見さん、教育ネットワークの細谷さん、ニューヨーク国連フォーラムの中村さんと國京さんと荒川、ラテンアメリカネットワークの大島が出席予定です。また、吉村世銀副総裁兼駐日特別代表をはじめ、当地の世銀・国連関係機関事務所の方も参加される予定です。

組織の枠を超えて、開発や国連についてオープンに情報・意見交換を行う場、また新たな出会いの場として、是非ご活用ください。

          記

【日時】 2005年7月22日(金) 19:00~21:00
【場所】 伊太利亜居酒屋 Wansa Kansa 新宿 
*伊勢丹の向かいにあるセゾンプラザ5Fにあります。新宿三丁目駅(丸の内線)から徒歩1分、新宿駅から徒歩5分で、地下通路を通っても行けます。 
*お店の電話:03-5379-5580 
*ぐるなびのURL: http://r.gnavi.co.jp/g068208/(地図は上記のページをご参照下さい。)
【参加費】 お一人様 4000円、学生 3000円 
*4000円以内に納める予定です。

●本オフ会への出席をご希望される方は、7月19日(火)夕刻までに大島までメールにてご連絡ください。osmc6095@yahoo.co.jp
●会場の都合上、もし希望者が多い場合には、それ以前に締め切らせていただく場合もありますところ、ご理解いただければ幸いです。
●希望者を対象に、2次会の開催も予定しています。21時~23時まで1次会の会場付近で行います。こちらは飛び入り参加も歓迎しますが、予約の都合上、参加をご希望の方は大島までご一報いただければ幸いです。
●出席のご連絡をいただいた皆様には、2日前にリマインダーを兼ねて出席予定者リストをお送り致します。
●キャンセルをされる方は、前日の7月21日(木)正午までに必ず大島までご連絡下さい。

上記についてご不明な点や当日の運営についてのご提案等ございましたらご遠慮なくお知らせ下さい。

本合同オフ会にご関心のある方はどなたでも参加を歓迎しますので、皆様お誘い合わせの上お気軽にお越しいただければ幸いです。皆様のご参加をお待ち申し上げております。

東京オフ会企画担当
ワシントンDC開発フォーラム 大島千枝
ニューヨーク国連フォーラム 荒川麻衣子

2005/07/09

【ご案内】 DC 開発フォーラム・ NY 国連フォーラム合同東京オフ会(7月 22 日(金) 19:00 ~)

ワシントンDC開発フォーラム・ニューヨーク国連フォーラムの皆様

DC開発フォーラム・ラテンアメリカネットワークの大島千枝と申します。ワシントンDCでは、先月DC開発フォーラム交流会が開催され、また、開発Happy Hour Clubも立ち上げられ、開発関係者がざっくばらんに情報・意見交換をする機会がより活発になってきたように感じます。また、ニューヨーク国連フォーラムも、昨年10月の発足後、メーリングリストでの議論、ウェブサイトの拡充など着実に発展し、今月も勉強会が開催されました。

日本でも、多数の開発・国連関係者が実務や研究に携わっていることから、今回初めて、ワシントンDC開発フォーラム・ニューヨーク国連フォーラム合同の東京でのオフ会を企画させていただきましたので、ご案内申し上げます。

合同オフ会には、東京近郊に在住・一時帰国中の幹事/アドバイザーも多数出席する予定です。現在のところ、バングラデシュ・モデルの紀谷さん、GRIPS開発フォーラムの大野泉さん、JICAの戸田さん、財務省の長谷川さんと玉川さん、紛争と開発ネットワークの里見さん、教育ネットワークの細谷さん、ニューヨーク国連フォーラムの中村さんと國京さんと荒川、ラテンアメリカネットワークの大島が出席予定です。また、吉村世銀副総裁兼駐日特別代表をはじめ、当地の世銀・国連関係機関事務所の方も参加される予定です。

組織の枠を超えて、開発や国連についてオープンに情報・意見交換を行う場、また新たな出会いの場として、是非ご活用ください。

          記

【日時】 2005年7月22日(金) 19:00~21:00
【場所】 伊太利亜居酒屋 Wansa Kansa 新宿 
*伊勢丹の向かいにあるセゾンプラザ5Fにあります。新宿三丁目駅(丸の内線)から徒歩1分、新宿駅から徒歩5分で、地下通路を通っても行けます。 
*お店の電話:03-5379-5580 
*ぐるなびのURL: http://r.gnavi.co.jp/g068208/(地図は上記のページをご参照下さい。)
【参加費】 お一人様 4000円、学生 3000円 
*4000円以内に納める予定です。

●本オフ会への出席をご希望される方は、7月19日(火)夕刻までに大島までメールにてご連絡ください。osmc6095@yahoo.co.jp
●会場の都合上、もし希望者が多い場合には、それ以前に締め切らせていただく場合もありますところ、ご理解いただければ幸いです。
●希望者を対象に、2次会の開催も予定しています。21時~23時まで1次会の会場付近で行います。こちらは飛び入り参加も歓迎しますが、予約の都合上、参加をご希望の方は大島までご一報いただければ幸いです。
●出席のご連絡をいただいた皆様には、2日前にリマインダーを兼ねて出席予定者リストをお送り致します。
●キャンセルをされる方は、前日の7月21日(木)正午までに必ず大島までご連絡下さい。

上記についてご不明な点や当日の運営についてのご提案等ございましたらご遠慮なくお知らせ下さい。
本合同オフ会にご関心のある方はどなたでも参加を歓迎しますので、皆様お誘い合わせの上お気軽にお越しいただければ幸いです。

皆様のご参加をお待ち申し上げております。

東京オフ会企画担当
ワシントンDC開発フォーラム 大島千枝
ニューヨーク国連フォーラム 荒川麻衣子


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