2005/08/26

《研修募集》 平成18年度一般国内長期研修のお知らせ(11月21日締切)

NY国連フォーラムのみなさま

国際協力機構(JICA)の国際協力総合研修所で人材育成を担当している、野口と申します。

先日、亀井さんにお願いして専門家養成個人研修の募集のお知らせを掲載していただいたのですが、今回は、日本国内の大学院での研修について、ご紹介させてください。2種類ありまして、第1弾は、一般国内長期研修です。

《以下、お知らせ》
平成18年度一般国内長期研修 募集中!(11月21日締切)
詳細はこちら:http://www.jica.go.jp/recruit/daigakuin/index.html

JICAでは、将来的にJICAで専門家として活躍したいと考えておられる方を対象に、一般国内長期研修を募集しています。本研修では、日本国内の大学院の入学費、授業料等を2年を上限としてJICAが負担します。ぜひ一度ホームページをご覧ください!多くの方のご応募、お待ちしています。

【研修説明】
一般国内長期研修は、国際協力に携わる人材養成の一環として、開発途上国に派遣する技術協力専門家等として将来にわたり活躍することを志向する方に対し、日本国内の大学院修士課程において専門能力を高めるための研修を、JICAが支援する制度です。

【定員】  若干名

【応募資格】
(1)JICAの技術協力専門家等として、国際協力事業に従事する強い意志を有し、また可能であること、
(2)応募する専門分野における実務経験を有すること(開発途上国での活動経験を有することが望ましい)、
(3)JICA専門家として必要な語学能力を有すること。
(4)満40歳以下、等。
詳細については上記ホームページをご覧ください。

【経費】
以下の経費をJICAが負担します。
(1)入学金、授業料、実習料等、研修機関に納付する経費
(2)海外でフィールドワーク等を実施する場合の必要経費(渡航費、滞在費等)(原則1回)

【応募方法】
自己申告書、応募申請書等の必要書類をそろえ、締切日までに下記申し込み先までお送りください。
必要書類の詳細については、上記ホームページをご覧ください。

【締切日】  平成17年11月21日(月)

【連絡先】
独立行政法人 国際協力機構 国際協力総合研修所
人材養成グループ専門家養成チーム 国内長期研修係
TEL:03-3269-3022 FAX:03-3269-2054
E-mail:jicaiict-kai@jica.go.jp

(以上)

《研修募集》 平成18年度NGO国内長期研修のお知らせ(10月11日締切)

NY国連フォーラムのみなさま

JICAの野口です。研修のお知らせ、第2弾です。本研修では、日本のNGOの常勤スタッフの方で、日本国内の大学院で知識を深めたい方を募集しています。

(以下、お知らせ)

平成18年度NGO国内長期研修 募集中!(10月11日締切)
詳細はこちら:http://www.jica.go.jp/recruit/ngo/index.html
JICAでは、現在日本のNGOで勤務されている方を対象に、NGO国内長期研修を募集しています。本研修では、日本国内の大学院修士課程の入学費、授業料等を2年を上限としてJICAが負担します。ぜひ一度ホームページをご覧ください!多くの方のご応募、お待ちしています。

【研修概要】
NGO国内長期研修は、国際協力活動を行う日本のNGOの専従スタッフを対象として、NGO活動に携わる人材の研修を支援することにより、日本のNGOが行う国際協力活動のさらなる向上に貢献することを目的として、JICAが実施
するものです。


【定員】  若干名

【応募資格】
(1)所属NGO等において将来に亘りNGOの実施する国際協力活動に貢献する強い意志を有し、また可能であること、
(2)国際協力活動を行うNGOに専従スタッフとして所属すること、等。
詳細については上記ホームページをご覧ください。

【経費】
以下の経費をJICAが負担します。
(1)入学金、授業料、実習料等、研修機関に納付する経費
(2)海外でフィールドワーク等を実施する場合の必要経費(渡航費、滞在費等)(原則1回)

【応募方法】
自己申告書、応募申請書等の必要書類をそろえ、締切日までに下記申し込み先までお送りください。
必要書類の詳細については、上記ホームページをご覧ください。

【締切日】  平成17年10月11日(火)

【連絡先】
独立行政法人 国際協力機構 国際協力総合研修所
人材養成グループ専門家養成チーム 国内長期研修係
TEL:03-3269-3022 FAX:03-3269-2054
E-mail:jicaiict-kai@jica.go.jp

(以上)

2005/08/25

ニジェールの飢餓と教訓

山口さん、NYフォーラムの皆様、

WHOの早川です。日本にとって「アフリカは『遠い』」のか、という山口さんの問いかけには、思わずうーんとうなってしまいました。しかしながら、日本のメディアが取り上げていないことと、政府が実際に政策問題としてニジェールを含めたアフリカの開発に積極的に取り組んでいないということは必ずしも一致しないような気がいたします。取り組んでいるか、いないは、結局、認識と立場の違いになってしまうのでしょうか。

実際、DACのニジェールの簡単な資料を見ると、バイドナーとしては日本のランクは4番目のようです(02/03年平均)。日本からの援助の総額は14Mとなっていて、これはアメリカの16M,ドイツの15Mとあまり変わらないように思われます。トップドナーであるフランスの105Mはダントツですが。以外なのは、ニジェールへの援助の内訳で、債務取り消し関連の援助が40%を占め、一番少ないのが人道支援のカテゴリーとなっていることでしょうか。

絶対的な数字で見るとニジェールにおける日本のプレゼンスは決して小さいものではないと思われます。しかし、相対的に14Mという数字を見ると、やはり日本の援助政策におけるニジェールの位置づけは高くなかったということになるのでしょうか。ちなみに日本の援助の被援助国トップは中国で1927Mとなっているようです。

DAC ニジェール: http://www.oecd.org/dataoecd/23/54/1882640.gif

DAC 日本: http://www.oecd.org/dataoecd/42/5/1860382.gif

早川元貴

2005/08/24

ニジェールの飢餓と教訓

NYフォーラムの皆様、

ニジェールの飢饉について、ELDISのメーリングストにODIのブリーフ・ノート
の記事がありましたので、FWいたします。

先日まで、日本に3週間ばかり一時帰国していたのですが、その間ほとんどニ
ジェールのことがメディアで報道されていなかったことが、印象に残りました。あれ
ほど、国連安保理入りに絡んで、「アフリカ、アフリカ」といわれていたにもかかわ
らず。やはり、日本にとって「アフリカは『遠い』」のでしょうか。

ご参考まで。

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7. HUMANITARIAN ISSUES IN NIGER

Author(s): Humanitarian Policy Group, ODI

Produced by: Overseas Development Institute (ODI) (2005)

This Humanitarian Policy Group briefing note highlights some of the questions that will need to be answered in order to explain the slowness of the international response to the 2005 famine in Niger. It argues that this is not just a case of donors failing to provide resources quickly enough. Questions also need to be asked about the quality of early- warning and assessment analysis; the capacity of humanitarian actors to respond; the appropriateness of the proposed responses; and the preparedness of development actors for what should have been a predictable crisis. In addition to all of these questions, the authors highlight that the scale and extent of food insecurity and possible crises in Mali and Mauritania must
continue to be closely monitored.

This note is based on a short review of the secondary literature, and a limited number of interviews with a range of humanitarian actors: it aims to highlight questions for further investigation.

Available online at: http://www.eldis.org/cf/rdr/rdr.cfm?doc=DOC19382



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Masatomo Nao Yamaguchi
M.Phil. in Development Studies, University Of Oxford

8月26日(金)合同勉強会のお知らせ

少しずつ過ごしやすくなってきたニューヨークから、OCHA人間の安全保障ユニットの長島由華です。皆様いかがお過ごしでしょうか?

毎回ぎりぎりになってからのお知らせで恐縮ですが、今週の金曜日8月26日に国連日本政府代表部、国連邦人職員会、そしてNY国連フォーラムの合同勉強会が開催される予定です。お話しされるテーマについては現在調整中ですが、詳細は下記の通りです。

日時:8月26日(金) 6時30分
場所:国連日本政府代表部大会議室
発表者:長谷川祐弘 (Mr. Sukehiro Hasegawa) 東ティモール担当国連事務総長特別代表 (SRSG)
テーマ:東チモールにおける国連活動(調整中)

参加ご希望の方は、8月26日(金)正午までにご氏名と所属先をynagashima@humansecurity-chs.org宛にご連絡ください。国連及び日本政府代表部職員以外の方は、国連代表部の警備上、事前に登録された方でないと参加できません。事前登録をされた方は、6時20分に866 UN Plaza (48th Streetの1st AveとFDRの間)に集合してIDを受け取ってからお入りください。

それでは、是非金曜日にお会いしましょう!

長島由華

2005/08/23

ニジェールの飢餓と教訓

田島さん、

ユニセフの久木田です。

私もニジェールの今回の人道危機について、大きな関心があります。アナン事務総長が訪問していることもあり、いろいろな報道がありますが、どうしてもっと早く当該政府と国際社会の対策が取られなかったのかという疑問は残ります。ユニセフでもニジェールのためのアピールを出して、支援を求めました。危機報道のおかげであっという間に必要額が各国政府から拠出されました。民間からの支援も大変早かったようです。ただ、危機は依然として続いていますし、同様の問題は西アフリカの周辺最貧国にも存在していて、現在そちらのアピールに対する支援を各国に依頼しているところです。

ニジェールのMSFが、国連の対応が遅く、非効率的で、栄養不良の影響をもっとも受けやすい五歳未満の子どもに支援が届いていないと報告しています。アナン事務総長もMSFの現場を視察し、大統領や首相にも会っていますが、政府の「危機はない」という説明と現場の状況にははっきり相違があるようです。G8であれだけアフリカといっておきながら、対応が遅いと言うのも奇異な感じがします。

私は、飢餓の専門家ではありませんが、食料や水の安全保障・子どもの健康と栄養などの観点から関わったことがあります。島田さんがおっしゃるとおり、早期警戒システムを確立する必要があると思います。私も、1990年代初頭に南部アフリカで大干ばつがあったときにナミビアの地方のコミュニティー開発を担当していましたので、早期警戒システムの確立にも関わりました。作物の出来具合、穀物の貯蔵レベル、穀類の価格と流通、現金収入や年金の有無、家畜の保持、水の確保、など、コミュニティー全体としてのCoping Mechanismや各家庭での対応力崩壊時期の予測など、たくさんの指標をモニターしながら対応を考えていく必要があります。大きな編んだかごの中のアワやヒエがそこをつき、種もみも食い尽くして、現金もなく、最後の手段のやせ細った牛を売ることになった家庭の心細さは、今思い起こしても悲しいものです。

女性が戸主の家庭、妊婦と乳飲み子を抱えた女性、老人、村でも特に貧しい家庭などに優先的に食料や現金が行き渡るようにして、弱い人々が崩れるのを防ごうとするのですが、コミュニティー全体の助け合いのCoping Mechanismも働かなくなると、国内避難の移動が始まります。ナミビアにいたときは、政府も国連機関も援助国も、独立したばかりの国をなんとか危機回避させたいと一生懸命で、乗り切ることができまし
た。ニジェールの状況は、慢性的な貧困と対応不足のために危機的な状況が訪れて、やっと世界に注目されたのだと思います。

残念なのは、そういう状況がアフリカをはじめ世界のあちこちにあるということと、それが繰り返されているということです。週末に「ホテル・ルワンダ」という映画を家族で見ました。国連と国際社会の役割、メディアの役割、宗主国の責任と役割、群集心理と恐怖放送、暴力と安全保障、いろいろと考えさせられました。レッスンはたくさんあったのに、実施していないことがたくさんあります。

根本的な問題の解決には、途上国コミュニティー(特に子どもと女性)のエンパワーメントと先進国の人々と政府の態度変容を大きく進める必要がありますね。

ニジェールの飢餓と教訓

コフィアナン氏が今日ニジェールに入りしたといいます。国連配信のニュースによれば 350万人が危険な状態にあるとのこと。今年6 月にはG8サミットでアフリカ問題が主要課題として議論されたし、ニジェールは既に1970 年代初期に深刻な飢餓を経験しています。過去の経験や、経済主要国の宣言に関わらず、どうしてまた惨禍は繰り返されるのでしょう。失敗から得た教訓が必ずしも未来のケースに当てはまる訳ではないですが、ここからどのような教訓を得られるのか、考えてみたいと思います。また、飢餓問題を専門とする方がいらしたら、率直に教えを乞いたいと思います。

今回の飢餓の原因は、干害や虫害等が各種メディアで挙げられていますが、ニジェール国内での昨年の農作物生産量は、例年の平均を下回る程度で、 350万人が飢餓のリスクにおかれるようなレベルではないといいます。やはり、セン教授の「飢餓は食料不足によって起こるのではなく、その配分方法によって起こる」というテーゼはここにも当てはまるように思われます。英エコノミスト誌( 2005年8月20日号)によれば、ニジェールの飢餓は、国内の穀物価格の上昇が主な原因だそうです。これは①コートジボアールやナイジェリア等の近隣諸国が穀物不作を解消するためにニジェールから穀物を多く輸入したこと、②ナイジェリアが鳥肉産業を支えるために鶏の飼育に必要な穀物を多くニジェールから輸入したこと、また③ナイジェリア、マリ、ブルキナファソがニジェールへの穀物輸入を制限したことにあるとのこと。加えて、ニジェール国内で家畜の売買価格が低迷したことも、穀物価格の増加と相まって、ニジェールの人々の穀物購買力低下の原因となったといいます。UNDP統計でも177か国中176番目にランクされる最貧国のニジェールと隣国ナイジェリアとのGDP差は10倍程度で、このように経済格差がある国家間同志で市場競争が食料を対象として行われた場合、弱者が払う代償は、あまりにも大きいと考えます。ニジェール政府が対面を保つために、問題を隠し、国際機関に救援要請を出すタイミングを遅らせたことも問題を深刻化させた原因の一つだそうです。また、表には出てきていませんが、内部の腐敗も問題を複雑にしている原因の一つかもしれません。

さて、どのような教訓が考えられるのでしょう。複雑な原因が背後にある限り、一時的な食料配給は危機にある多数の命を救うものの、根本的な解決にならないと思います。エコノミスト誌は、ニジェールに雇用の機会を与えることで購買力を高めることを飢餓対策として挙げていますが、他に方策はないでしょうか。

一つ考えられることは、飢餓の早期警報の機能を高めることと援助側がそれに敏感になることかもしれません。津波等の自然災害と異なり、飢餓の早期警報は可能だそうです。実際、MSFは今年始めにニジェールの飢餓についての警報を出していましたが、人道支援が開始されたのは、メディア等がニジェールの惨禍を報道し始めてからで、それは「国内の最悪の事態が過ぎた後」だったそうです。二つめに考えられることは、G8等で貧困問題が議論される場合、具体的な援助計画や金額までどうにか落とし込むことと思います。それが、主要課題として謳われていたならばなおさらのこと。実際今年6月のスコットランドで開かれたG8サミットはアフリカの貧困問題が主要課題の一つでしたが、ロンドンテロの混乱もあって、具体的な援助額は出てこなかったと聞いています。さらに、市場への介入も方策として考慮できると考えます。飢餓の恐れのある国に対して、国際機関が穀物購入の援助金を出す、また地域会合が開かれる場合、議題に食料市場と食料の安全保障の問題を加える等。4つ目に、国際機関と国との風通しも重要だと思います。国家が対面を保ちたい気持ちも十分理解できますが、国家のプライドは何百万の人の命に勝るものではないと。援助機関と国家が、適時に救援申請を出せる関係性でありえたらと願います。


2005年
JPO派遣候補者

Maiko Tajima
M.Sc. in Forced Migration, QEH, University of Oxford

JICA技術協力専門家養成個人研修 (第一次募集)

フォーラムの皆様こんにちは。

ML管理を担当しておりますかめいです。

標記につきまして、JICA国際協力総合研修所 人材養成グループの野口様から下記のとおり情報の提供がありましたので、お知らせいたします。なお、問い合わせ等は下記記載の連絡先にして頂けますようお願い申し上げます。

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平成17年度 技術協力専門家養成個人研修(第一次募集)募集中!(9月27日締切)

専門家養成個人研修では、専門分野の知識・経験をより豊かにしたい方で、研修終了後にJICAで専門家として活躍してくださる方を募集しています。今年度は、研修内容を自分でゼロから組み立てる従来の<本人発案型>に加え、平和構築、教育政策等の分野でJICAが提示する内容をベースに実施する<JICA提案型>もご用意しました。ぜひ一度ホームページ(http://www.jica.go.jp/recruit/ikusei/index.html)をご覧ください!多くの方のご応募、お待ちしています。


【研修概要】独立行政法人国際協力機構(JICA)は、個別に行う研修を通じて今後のJICA専門家業務においてより効果的な活動を行うために必要な能力を修得し、高度化・多様化する開発途上国のニーズに対応できる専門的能力を身に付け、効果的かつ効率的な事業の実施に貢献する人材を養成することを目的として、技術協力専門家養成個人研修を実施します。今回から、本人が計画を作成する<本人発案型>に加え、JICAが研修内容を提示する<JICA提案型>も併せて募集します。

【定員】<JICA提案型>7名、<本人発案型>若干名

【資格・条件】(1)研修修了後はJICA専門家として任務に就くことを希望し、かつ可能であること、(2)平成17年4月1日時点で、満45才以下であること、(3)JICA専門家として必要な語学能力を有すること、等。詳細については下記ホームページをご覧ください。

【待遇】基本手当、研修実施費(150万円まで)、研修旅費等

【応募方法】自己申告書、応募申請書等の必要書類をそろえ、締切日までに下記申し込み先までお送りください。必要書類の詳細については、下記ホームページをご覧ください。

【締切日】平成17年9月27日(火)

【連絡先】独立行政法人 国際協力機構 国際協力総合研修所
人材養成グループ専門家養成チーム 
技術協力専門家養成個人研修係
TEL:03-3269-3022 FAX:03-3269-2054
E-mail:jicaiictar-yousei@jica.go.jp
ホームページ:http://www.jica.go.jp/recruit/ikusei/index.html

2005/08/17

NY国連フォーラムHP:オフ会記録の掲載

ニューヨーク国連フォーラム/ワシントンDC開発フォーラムの皆様

こんにちは。
NY国連フォーラム・ウェブ担当幹事の荒川です。

この度、7月22日に東京で開催された合同オフ会の模様をNY国連
フォーラムのウェブサイトに掲載しましたので、お知らせ致します。
下記のリンクより、ご覧ください。

<NY国連フォーラム>
http://www.unforum.org

また、本ウェブサイトでは、MLで連載が始まったフィールド・エッセイや
国連フォーラム・インタビュー・シリーズのほか、ニューヨークで開催され
た勉強会の記録も掲載しています。もし、まだご覧になられていない方
は、ぜひこの機会にリンクをクリックしてみてください。

荒川麻衣子
ニューヨーク国連フォーラム

2005/08/10

7月1日勉強会議事録(第一弾)

ニューヨーク国連フォーラムの皆様、

暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

遅くなりましたが、7月1日にニューヨークで行われた、JICA小島誠二理事に
お越しいただいた勉強会の議事録を送付させていただきます。ご存知のように
このメーリングリストは文書の添付ができないため、3部に分けてお送りしま
す。

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国連邦人職員会・国連日本政府代表部合同勉強会
新たな援助潮流への日本の貢献を目指して―JICAの課題と挑戦(第一弾)
JICA理事 小島誠二

0.はじめに

20年近く前、アジア開発銀行で働いていた。その後、外務省経済協力局におい
て、開発調査、年次協議、国別援助計画等を担当した。私が担当したODA大綱
は1992年に策定されたが、その改訂の過程を見ると国民のODAへの関与の仕方
が変わり、広がったと感じる。1999年から再び経済協力局でLLDC向けODAのア
ンタイド化問題等を担当し、今回、JICAにおいて総務、人事、企画・調整、援
助協調等を担当することとなった。NYやDCの開発フォーラムでJICAが何をして
いるかについてお話ししたい。特に、日本政府関係者以外の外部の方々に話を
聞いていただいて、ご意見を伺いたい。

本日の話しでは、重要であるが、応えることが難しい課題を取り上げたい。ア
メリカで勉強したり、仕事をしておられる皆さんから、こんな風に考え、直し
ていけばいいのではないかというようなご意見をいただきたい。ODAに対して
は批判が多いが、最近は日本のODAのことをよく理解して発言し、また、調査
結果・データを示してくれている人もいる。例えば、小泉総理はアジア・アフ
リカ会議に出席された際、アナン事務総長と会談された。その際同席していた
(と思われる)ジェフリー・サックス教授は、日本のODAが最も効果的に実施
されている(best followed)と評価した。メディアではあまり取り上げられ
なかったが、こういう評価をしてくれる人もいることを嬉しく思った。

1.JICAとは何か?

(1)1954年の社団法人アジア協会から、1962年に海外技術協力事業団及び
1974年に国際協力事業団を経て、2003年に独立行政法人化された。法的には二
つの側面を指摘できる。すなわち、JICAは独立行政法人としての共通性(他の
独立行政法人と一律の取扱い)とODA(技術協力)の実施機関としての独自性
を有する。
(2)事業実施は、まず5ヵ年の中期目標・中期計画を立て、年度計画をも
ち、各部署別の計画を作って、外務省に提示して、実施の上、自ら評価を受け
るという体制になっている。いい意味で緊張感を求められている。仕事の仕方
は、独立行政法人化によって劇的に変わっている。

2.JICAは何をするところか?

(1)JICAの仕事は幅広い。技術協力を中心として、その他の仕事も多い。新
たな内容としては国民参加型の事業。NGOや大学との連携などが対象。従来か
ら行っていたが、法律に書き込まれた点で新しい。
(2)それでは、技術協力とは何か。DACの定義(開発途上国の人々の技能、
知識、技術ノウハウ及び生産的な素質の水準を向上させることを目的とする全
般的な支援活動)が一般的だが、JICAの定義は文面上これより若干狭いかも知
れない。Investment Related Technical Cooperationも重要な仕事。
(3)JICAの行っている技術協力は、以前は技術移転が中心であったが、現在
では制度構築やcapacity developmentへと広がってきている。今日では、人々
が自ら設定した目標を達成できるよう支援すること、自らの課題の解決能力を
向上させることができるよう助けること、そういった能力を外からもたらすの
でなく、人々に備わっているものが内発的に発展できるよう援助すること、そ
ういった活動全般が含まれる。その課程で、個人、組織及び社会を総体的に捉
える取り組みが求められる。
(4)資金協力との連携、資金協力と技術協力との一体的実施も拡大してい
る。例えば、農村に住む人々自身が道路を作ったりすることを支援すること
等。OECD/DAC(開発援助委員会)への報告をどうするかは別として、実際に
は、資金協力と技術協力とを分けることが難しいことも多い。

3.独立行政法人化した後JICAはどう変わったか?

(1)業績が評価されることが大きな変化。弾力的な財務管理。自立的な組
織、すなわち組織の改革が行いやすくなった。管理職ポストを1割削減した結
果もあって、決裁の効率化(所要時間の4割減)等のポジティブな結果も得ら
れている。
(2)「復興」という形で、平和構築支援が法律上明記された。イラク、アフ
ガニスタン、チャド、ガザ、ジェリコ等アフリカを中心として活動を広げてい
る。
(3)7月より、ファースト・トラック制度を導入。最短で45日でプロジェク
トを始める。自然災害や紛争後の支援を念頭においている。緒方理事長の強い
イニシアチブのもとで成立した。
(4)業績評価。中期目標や計画には具体的な数値目標が掲げられている。具
体的な投入、たとえば長期専門家,コンサルタントを1割減らす等の目標。数
値目標の7割は既に達成できている。多くが前倒しで達成できているというこ
とである。
(5)質の向上も重要。例えばプロジェクト単位でなく、プログラム単位での
取組みを行っている。現場主義実現の結果、リソースが足りなくなり質が落ち
てはいけないので、優先順位の低い仕事を減らすという取り組み、また、優先
順位の高い仕事を効率的に実施するという取り組み、すなわち業務軽量化を進
めている。私見では10%くらいは減量しないと業務がうまく遂行されないと考
えている。

<第二弾に続く>
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Yuka Nagashima (Ms.)
Human Security Unit
OCHA, United Nations

7月1日勉強会議事録(第二弾)

国連邦人職員会・国連日本政府代表部合同勉強会
新たな援助潮流への日本の貢献を目指して―JICAの課題と挑戦(第二弾)
JICA理事 小島誠二

4.JICA改革とは何か?

(1)第一弾として16年度は、まず現場主義の促進。中期計画では本部から在
外へ200人を異動する予定。56の在外事務所から、30の重点事務所を指定し
て、プロジェクトの形成から評価までを在外主導で行い(在外主管案件)、本
部はこれの支援に徹するという方式を導入した。また6つの地域支援事務所を
設立して、プロジェクト形成支援や会計等の管理業務支援を行うようにしてい
る。
(2)その他、1994年に出された人間の安全保障の概念を現場に適応できるよ
うにする。7つの視点を導入し、案件を人間の安全保障の視点からチェックす
る。モデル案件を導入する。典型的な人間の安全保障案件を形成し、共有す
る。
(3)効果・効率性。ODAでは何十年も言われてきたことだが、数値化して評
価することが新しい。また、迅速性はこれまであまり言われていなかったこ
と。ウォルフェンソン前世銀総裁が世銀に来て最初に言ったことが「スピー
ド」だったのは興味深い。津波等の自然災害への対応や紛争後の開発への切れ
目のない支援に当たって要請される。通常業務でも、ローリングプランを作る
こと等によって、迅速性を高めることは重要。変化が早い国際社会への迅速な
対応を重視する体制を目指している。
(4)17年度については、研修員受け入れ体制の強化。DAC等の様々な場で、
特に技術協力はサプライドリブンだと言われ続けている。日本の技術協力につ
いてはそのような批判はあまり当たらないのではないかと思うが、研修員受け
入れについて、途上国のニーズに一層合致したものにしていく必要がある。途
上国のニーズと受け入れ体制のマッチングを向上させたい。JICAのその他の活
動、典型的には技術協力プロジェクトへの統合、もっと言えば、プログラムへ
の統合を進めたい。
(5)もう一つ、NGO、大学等の市民団体との連携を図る。先ほどUNDPとの幹
部と話していたが、UNDPとの競合があるとすればCivil Society
Organizations (CSO)だと言っていた。JICAとしては、むしろこれらの組織と
の一層の連携を進めたい。
(6)調査研究、人材育成の強化。JICAの強みは現場を持っていること。
1954年以来の主としてアジアでの知識・経験の蓄積がある。今も積み重ねられ
ている。それがエピソードとしては語られても、十分、概念化・体系化・理論
化されてこなかった。現場から帰ってくる職員、専門家、その他の援助関係者
から情報を得て、調査研究の中で蓄積することを目指している。国際協力総合
研修所を中心にやっていこうとしている。

5.JICAは日本のODA全体の中でどのような位置を占めるか?

(1)JICAは「技術協力をするところ。ODAの実施機関」と言われる。それは
その通りであるが、実際には、技術協力と資金協力、さらには政策と実施とは
なかなか区別することが難しい。現場からのフィードバックがないと政策の立
案・改訂はできない。政策は政府、実施はJICAという仕分けになっているが、
一緒に考え、実施していかないと、うまくいかないのではないかと個人的には
感じている。
(2)一般会計ODA予算の20%くらいがJICA予算。技術協力は外務省(JICA)
以外にも多くの府省が担当。大雑把に言って外務省(JICA)が半分を、その他
府省が残り半分を担当。
(3)開発調査は、その結果が無償資金協力や円借款に繋がる技術協力。資金
協力との典型的な連携の例。

(4)二国間ODAの地域別実績。アジア重視だが、その割合は下がっている。
JICAの場合もそうである。JICAの場合はアフリカの割合が増えている。ただ
し、円借款が出にくいので政府全体ではそうとも言えない。2005年度でJICA予
算の20%がアフリカ向け。政府は今後3年でアフリカ向け援助倍増を明らかに
したが、JICAがどの程度増やしていくかについて、まだ結論は出されていな
い。
(5)特徴的なのは、中南米、大洋州の割合が高いこと。大洋州ではJOCV、中
南米は日系移民とのつながりによると思われる。中長期的には、その割合は減
少するのではないかと予想される。
(6)ODA関係者の数。政府その他の関係者のうち、半数以上をJICA職員が占
めているのではないか。アフリカに行くと、その比率はもっと高くなる。約
8割がJICA関係者と聞いたことがある。JICAは人の面で重要な位置を占める。

6.新しい援助潮流の中でJICAはどうしようとしているか?

(1)率直に言うと、技術協力というのは一番対応しにくい部分があるのでは
ないかと思う。戦略、基本方針を持って、事業を進めることが大事。国別事業
実施方針、地域戦略というものを作りながら事業を行うこと。また、アフリカ
の重視。それに応じた予算配分・人員配分を行うこと。
(2)二番目として、各ドナーが個々別々の目標・戦略をもって援助するので
はなく、共通の目標をもって、その達成に努力することが大切。ミレニアム開
発目標(MDGs)については、JICAとして何をすべきであるかを検討し、そのた
めの努力を行ってきた。お手元のパンフレットには、MDGsの実現と人間の安全
保障、capacity development及びインフラ整備とがどのような関係にあるかが
説明してある。なお、JICAとしても、インフラを重視しており、ガバナンス、
貧困、インフラを総合的に捉えたアプローチをとっていきたい。この点につい
ては、UNDPとも議論をしている。
(3)Poverty Reduction Strategy (PRS)体制への参加。第二世代が始まりつ
つある。UNDPは色々な考えをもっている。PRSPの作成及びその評価・モニタリ
ングの課程にJICAとしてできるだけ関与していきたい。アフリカでは、まだま
だ手薄だが、大使館と比べれば多くのJICA関係者が在勤しており、援助調整の
専門家もいるので、セクター別ドナー会合などの場にできるだけ出ていって、
意見を発信していきたい。
(4)新しい援助モダリティへの対応。効果的な援助の実施に向けてJICAとし
て何ができるか。一般財政支援についての政府方針とは別に、例えば、公共財
政管理のための技術協力は行っていきたい。
(5)ローカル・リソースの活用、すなわち現地調達や現地コンサルタントの
活用を進める。
(6)その他、プログラム化を推進して、プロジェクトが総体として効果が発
揮でき、持続可能な結果が得られるようしていきたい。
(7)専門家には、省庁推薦の専門家と公募による専門家とがあるが、最近で
は公募による者が約1700人のうち約700人を占めている。
(8)JICAが国際援助コミュニティに対して何が貢献できるか。バーグ報告
(1993年。UNDPが外部委託により作成)には技術援助に対する問題点の指摘と
解答が書かれている。自分も、読んでみて、違和感を覚えた。一番違和感を覚
えた点は「専門家・カウンターパート・モデル」は破綻していると批判されて
いた点。少なくともアジアにおける日本の技術協力では、破綻していないので
はないかと思った。途上国のオーナーシップ尊重による共同案件形成、利害関
係者間での合意形成、専門家・カウンターパートによる信頼関係、既存の組織
の活用、そういったことが日本の技術協力では行われてきたと考える。アジア
での経験がそのまま使えるわけではないにしても、アフリカ支援にも活かせる
のではないか。また、南南協力はそのための手段を提供することができるので
はないか。
(9)近年、重要とされるイシューに対し、いっせいにドナーが走っていく傾
向が見られる。日本として、重要と考えるセクター・課題に対して一貫した支
援を行い、援助コミュニティ全体としてバランスが保たれるようにすることも
必要なのではないか。

<質疑応答に続く>
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Yuka Nagashima (Ms.)
Human Security Unit
OCHA, United Nations

7月1日勉強会議事録(第三弾)

国連邦人職員会・国連日本政府代表部合同勉強会
新たな援助潮流への日本の貢献を目指して―JICAの課題と挑戦(第三弾)
JICA理事 小島誠二

質疑応答

(質問)JICAはどう変わったか? 外務省とJICAとの関係如何? JICAが独立
行政法人化したことで、外務省、各省庁、JICAとの関係はどう変わったか?
意思決定に際して、JICAの独立性はどうなったか?
(回答)案件の採択までは政府。実施はJICA。実施の仕方、つまり投入量と成
果の見積もりはJICAの仕事。JICAの在外事務所も参加する現地タスクフォース
ができていて、そこでの議論が案件の採択に大きな役割を果たすようになって
きている。JICAの在外事務所の推薦に基づく案件の採択率が高くなっている。
各省庁が関わることになっている制度は別として、実態はそのように変わって
きている。

(質問)実施のフレキシビリティについてお聞きしたい。予算の単年度制はど
うなっているか? 繰越は認められているか? 本部から在外主導へという場
合、在外事務所が独自に使える予算が増えたかどうか? UNDPでは現地でカン
トリー・プログラムを行う場合、現地の事務所長が決めないと進まない。
(回答)単年度制度に変化はない。ただし、ローリングプランを導入して予測
性を高めている。イギリスのNGOの調査によると、日本のODAは「予測性が高
い」と途上国に評価されている。在外主管案件については原則として在外事務
所が責任をもって行う。各省庁との関係等があって本部でやらざるを得ないも
のを除いて、在外事務所が行う。一定規模を超えると理事会での審議を経る
が、それ以外は在外事務所で実施できる。繰越は行われるが、それを減らそう
というのがJICAの取り組み。ただし、一定額の繰越は出てこざるを得ない。予
算は、まず地域部に配布されて、それが課題部や在外事務所に流れる。

(質問)国際機関との連携。この2、3年、JICAと世銀で連携を深くしたらいい
のではと感じている。世銀をみていると、英国のDFIDなどとは深い関係を持っ
ている。そこまでいかなくても他の国際機関と連携を強化する予定はあるか?
(回答)制度化された協議は過去3年間くらい途絶えていたが、今まさに世銀
や地域開発銀行、国連との連携を進めている。昔はプロジェクト・レベルでの
連携が中心であったが、今後はもっと政策レベルでの連携と調整が必要。
PRSPの作成・モニタリング、MDGsの実現等について、世銀は大きな影響力を有
しており、そういうところと一緒に仕事をしないと効果的・効率的な援助を行
うことができない。最近の債務削減の議論、国際開発協会(第二世銀、IDA)
増資のうちの30%のグラント化等については、JICAとしても関心を有してい
る。国際機関もJICAの意見・方向性を知りたいのではないか。ODAの基本理念
である人間の安全保障、capacity development等について、できる限り多くの
ドナーや途上国と共有していきたい。人間の安全保障という言葉を使うかどう
かは別にして、世銀もそのコンポーネント、アプローチ方法を共有しているよ
うである。

(質問)MDG達成への努力。MDGsの一つに人権があり、rights-basedアプロー
チを導入するのがUN内で進んでいる。ダムを建設するについても人権への配慮
や計画への参加の確保が必要。北欧やカナダではrights-basedアプローチを採
用しているが、JICAではどうか。
(回答)そのように呼ぶかどうかはどうかは別として、JICAの体制はそれに近
いものと思う。すなわち、環境社会配慮ガイドラインを2004年度から導入し、
プロジェクト案件が途上国の環境に悪影響を生じさせないよう外部の有識者の
参加も得た審査委員会で検討する体制をとっている。ジェンダーについては特
別なユニットを設けていて、ジェンダーと開発との関係を特別に見ている。マ
イノリティについてはどうですかという疑問があろうが、マイノリティに対す
る配慮は社会配慮に含まれる。北欧と実態において差はないと思うし、あって
はならないと思う。環境社会配慮を行うに際し、追加的な労力が必要となり、
JICAが色々な圧力に晒されることにもなろうが、環境社会配慮は必要である。

(質問)平和構築について。紛争予防。UNでも取り組みを進めようとして難し
いところ。業績の評価が必要だが、それが難しい。JICAではどうか。
(回答)JICAでは紛争後の復旧・復興支援は色々と実施しているが、紛争予防
の実績はあまりない。ただし、紛争後に、再発を予防する視点を入れた開発・
復興を実施するということは重要。JICAは貧困削減に資するプロジェクトに取
り組んでいるが、貧困削減が紛争防止に資するかどうかについては意見が分か
れる。和解の促進などについては、JICAとしても貢献できるのではないかと考
えている。緒方理事長も南アでそういうことを目的としたセミナーに参加し
た。異なる民族の人たちが一緒の職場で働けるような機会を設けることが考え
られる。しかしながら、JICAが直接紛争予防に関わることは難しい。強いて言
えば、ガバナンスの問題として、関わることができるかも知れない。地方政府
の強化や法整備(土地所有権の概念を確立すること)などが紛争防止に資すると
すれば、JICAとしても、その限りにおいて紛争防止に関わることができるだろ
う。やはり関与は間接的になる。紛争そのものに関わるツールとしては、紛争
のアセスメント調査があるが、JICAとしては、むしろ、紛争後、再発防止のた
めに何が開発援助でできるかを考えていきたい。

(質問)再来週、安保理のテーマ別会合で紛争と人道援助、平和構築といった
分野のディベートがある。アフガニスタンやイラクでの国軍の解体、新しい国
での国軍の創出などミリタリー絡みの問題、Disarmament, Demobilization and Reintegration (DDR)、法と秩序、シビリアンポリース、などを含む広い
課題。一部はPKOでもバイの援助でもやられていると思うが、総じて、日本は
あまり手を出さないという方針でやってきた。その結果、日本の実績は薄い。
JICAでどこまで取り組めるか。JICAの中でどのように検討されているか?こう
した分野へのJICAの取り組み姿勢や問題意識はどうなっているか?
(回答)難しい分野。JICAは警察の訓練を行っている。イラクの警察官を隣国
で訓練したり、退役軍人を再トレーニングしている。また、法整備支援等は行
っている。DDRの前の方は、難しい。JICAの中でイシュー別(課題別)検討を
行っており、平和構築についてどこまで肉薄できるか、ガイドラインを改訂
中。また、できることはできるだけ早くやるようにしている。このことは、
DDRの各コンポーネントを切れ目なく実施するためにも必要である。クリエイ
ティブに考えなければ行けないと思っている。
(質問)JICAと自衛隊の間で、将来的に平和構築分野でいろいろ連携できるの
か? あるいは警察との間は? 常任理事国になれるかどうかは別として、将
来的にこうした分野で日本としてはもっと踏み込んで必要があると個人的に考
えているが、JICAの役割は?
(回答)警察とは従来、連携関係がある。自衛隊との組織的連携はない。緊急
援助隊では自衛隊と従来共同して行っているが、平和構築分野ではない。取り
組むかどうかは政府が検討することではあるが、各国の取り組みや、こんなや
り方が可能ではないか、というアイディアをJICAとして出すことは可能であ
る。

(コメント)アジア開発銀行やUNDPにいて、政策と実施との関係については、
はたして連携すべきかと思っている。融資をしている組織と技術協力をする機
関で政策と実施とは異なり、またバイとマルチとでも政策・実施ともに異な
る。政策と評価は一緒にすべきだが、実施とは異なるのではと思う。学問的に
も面白いテーマではないか。政策は理解できないといけないが、立案まで実施
主体がやらなくていいのではないか。

(質問)JICAからマルチの機関へ人を派遣していると思うが、マルチから
JICAへの人の派遣はあるのか?
(回答)今のところ、UNHCR及びユネスコからは実績がある。ただし、世銀や
ADBなど融資機関からの出向はない。受け皿として、むしろ国際協力銀行
(JBIC)が適当かも知れない。UNDPからの実績はない。
(コメント)UNDPからの派遣、考えてみたい。
(回答)歓迎する。

(質問)アフリカ援助について。アフリカへの増強に対して、どこを削るのか?
(回答)JICA予算全体が増えれば、他の地域への予算額は変化しない。割合と
いう意味で言えば、アジア等の減少が考えられる。アジアの中所得国向けの円
借款が減っていけば、それに応じて、技術協力の割合が減っていくということ
があり得るかもしれない。中米は別として、南米の中所得国に関しては減って
いくことがあり得る。

(質問)バイでアフリカ向けを増やすというとき、歴史的にも経済的にも関係
が薄いアフリカに対して、日本の国益という観点で、国民向けの説明はどうな
っているか。
(回答)英国のブレア首相は「アフリカは良心の傷」、つまり人道支援の対象
だと言っている。アフリカを救うことは、世界が取り組まなければならない課
題になってきていると思う。それを無視して日本が国際社会で重要な地位を占
めることは難しいのではないか。それを国益と呼ぶかどうかは別として、国際
社会が一緒になって取り組まなければならない課題に、日本も取り組むべきで
あるということである。

(質問)途上国側には日本の経済発展の秘訣を知りたいというニーズがある。
技術協力に責任を有する政府でなく、商社・日本企業がそれを果たしてきたと
いう意見もあるが、JICAが果たした役割は何か?
(回答)民間企業等が貿易・投資を通じて果たしてきた役割の重要性は言を俟
たないが、日本のODA
も、民間による貿易・投資の環境を整備するため重要な役割を果たしてきてお
り、JICAもインフラ整備、技術移転等を通じてしかるべき貢献を行ってきたと
思う。

(質問)小泉首相が対中国ODA、そろそろ卒業と発言。どのような方針か?
(回答)円借款及び無償資金については結論が出ている。あとは技術協力をど
のレベルで行うかという話。中国には貧困が残っている。環境問題は日本に影
響をすぐ及ぼす。私見では、しかるべきレベルの技術協力は将来も続けること
が国益に適う。

(以上)

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Yuka Nagashima (Ms.)
Human Security Unit
OCHA, United Nations

2005/08/03

NY国連フォーラム 「フィールド・エッセイ」 第1回(1)

皆様、お元気でいらっしゃいますか。幹事の粒良です。

先日、誤ってお送りしてしまいました、「フィールド・エッセイ」を改めましてお送りいたします。第1回目は、本MLにもよく投稿されている、UNDPカンボジア事務所の小西洋子さんに書いて頂きました。

本企画「フィールド・エッセイ」は、フィールドでご活躍されている日本人の方に、フィールドでの主に国連の活動についてエッセイを執筆いただき、NY国連フォーラムのメーリングリスト・ウェブサイトを通じてこれを共有し、フィールドの現実についての理解を深めようというものです。

今回のエッセイは、2回に分けてお送りいたします。nyunforumの皆様におかれましては、ご感想などをお送りいただければ幸いです。

また、フィールドの国連機関に勤務されている方々で、本フォーラムの趣旨にご賛同いただき、エッセイを執筆してくださる方がいらっしゃいましたら、私までご連絡いただければ幸甚です。

粒良麻知子
Email: tsubura@zae.att.ne.jp

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 NY国連フォーラム 「フィールド・エッセイ」 第1回
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●小西洋子氏(UNDPカンボジア事務所)●

略歴:大学卒業(国際関係/国際法)後、日本およびカンボジアでボランティア活動に従事した後、イギリスにて社会開発の修士。JICE研究員としてJICA調査研究課にて各種国別・分野別援助研究会の事務局およびタスク(1998-2000年)、在フィリピン日本大使館経済班専門調査員として草の根無償を中心としたNGO支援および連携の促進、ODA広報等(2001-03年)。外務省、JICA、JBICで短期の仕事を経て、2004年9月よりUNDPカンボジア事務所のGovernance ClusterでGovernance Specialistとして勤務。

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カンボジアに着任して10ヶ月が経とうとしています。今エッセイを書いてみて、随分滞在しているのに最近来たばかりのような気がまだしています。

もともとは地方分権関連をやるはずだったのですが、ナショナルオフィサーのリクルートメントと重なったりして、現在、援助協調関連、情報アクセスと市民参加の促進、公務員制度改革(Public Administration Reform)、ICTと開発、マイクロファイナンスといったところを担当しています(担当分野は事務所のニーズやタイミングによって流動的です)。

来た当初はあまり仕事がなく、事務所で関連ペーパーを読み、マイクロファイナンス・イベントの調整を通じて事務所でのラインや仕事の仕方を学ぶという感じでした。11月にNY本部で短期研修を受け、その前後から、援助協調関連の引き継ぎを受け、ちょうど大きく動いていた調和化の流れになんとかついていく一方、UNDPが政府の援助調整機関(カンボジア開発評議会)に対して行っている支援プログラム[i]の年度評価の実施、2005年の活動計画づくりを政府機関に派遣されているアドバイザーと喧々諤々と行いました。私自身はこれまで調査やfundingする事業の審査・モニタリングを中心と仕事をしていたので、このように技術協力を実際に動かすのは新鮮かつ大変であり、まさにOn-the-job Trainingという感じでした。

2月にはローカルNGOが実施するICTを活用した障害者の雇用創出モデルの拡大支援[ii]の引継ぎを突然受け、同事業のスタディを精査・完成させるとともに、(同事業は本部が管轄する予算のため)NYとの予算の繰越のやりくりを行い、NGOに対しては事業終了の仕方を伝え、3月には事務所が外部委託する会計監査に突入(しかし、自分もよく分かっていないので、一生懸命UNDPの規則・手続きを勉強する)。その一方、よりガバナンス面を重視した「情報アクセスと市民参加の強化[iii]」という新規事業の立ち上げで、予算計画を立て、関係NGOと協議し、コンサルの公募を行い、同分野を勉強するとともにUNDP-APDIP[iv]が支援するIT政策にコメントし、公務員制度改革では、政府とドナー共同のテクニカルワーキンググループに参加して公務員制度問題について勉強するとともに、支援のための他ドナーとのコストシェアリングを検討するといった業務を行っています。

私はUNDPがマクロとミクロをつなげるところ、政策支援やアドバイスをしつつ、草の根で革新的なパイロットを実施しているのを魅力と感じて入ったのですが、こういったことをまとめるプログラム担当[v]についてみて、うまく頭の切り替えと時間の活用をすること、UNDPのモダリティ[vi]と手続きをよく理解し早く慣れること、またよく明示されていない事務所内の仕事の流れの把握とオペレーション担当とのコミュニケーションが重要だと感じています。幸か不幸か私はほぼ全ての異なるモダリティに携わり、調和化の流れでカンボジア政府のオペレーションガイドラインづくりに関わっているので、手続き面について実施と理論の両面から勉強させてもらっています。他方、透明性の確保の点から細かくオペレーション担当(調達・出納・契約等)が分かれており、担当者の役割や仕事の流れと必要手続き・書類を把握するのには、うちの事務所が交差点をはさんで4つの建物に分かれていることもあってなかなか大変でした。また、私が扱う事業のいくつかはハイレベルなイシューを含むため、バランスを保ちつつ事務所上司とアドバイザー両者を補佐・提言することが重要で、そのために情報収集・調整・専門分野の知識を深めるなど自己研鑽することが必要だと感じています。


((2)へ続く。)

NY国連フォーラム 「フィールド・エッセイ」第1回(2)

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 NY国連フォーラム 「フィールド・エッセイ」 第1回
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●小西洋子氏(UNDPカンボジア事務所)●

((1)の続きです。(1)で一部文字化けしてしまった段落も含めてお送りいたします。)

私はUNDPがマクロとミクロをつなげるところ、政策支援やアドバイスをしつつ、草の根で革新的なパイロットを実施しているのを魅力と感じて入ったのですが、こういったことをまとめるプログラム担当[v]についてみて、うまく頭の切り替えと時間の活用をすること、UNDPのモダリティ[vi]と手続きをよく理解し早く慣れること、またよく明示されていない事務所内の仕事の流れの把握とオペレーション担当とのコミュニケーションが重要だと感じています。幸か不幸か私はほぼ全ての異なるモダリティに携わり、調和化の流れでカンボジア政府のオペレーションガイドラインづくりに関わっているので、手続き面について実施と理論の両面から勉強させてもらっています。他方、透明性の確保の点から細かくオペレーション担当(調達・出納・契約等)が分かれており、担当者の役割や仕事の流れと必要手続き・書類を把握するのには、うちの事務所が交差点をはさんで4つの建物に分かれていることもあってなかなか大変でした。また、私が扱う事業のいくつかはハイレベルなイシューを含むため、バランスを保ちつつ事務所上司とアドバイザー両者を補佐・提言することが重要で、そのために情報収集・調整・専門分野の知識を深めるなど自己研鑽することが必要だと感じています。


他方、事務所運営で日本の組織と違って面白いと思うのは、office retreatとlearning sessionです。Office retreatは組織の運営見直しを行う機会を指し、数日、スタッフ全員が職場を離れてホテルで缶詰になって事務所業務の効率性向上やコミュニケーション改善のために組織の強みや弱みをいろんな側面から検討し、提言や行動計画をつくります。UNDPのように現地事務所にかなり権限が委譲されていて、事務所レベルで事業の形成・実施・フォロー・政策提言などを行っている場合、オフィサーの能力強化や組織内の迅速な実施体制が重要であるため、こうした現地組織の強化の機会が重視されているわけですが、それに加えて国際機関というマルチカルチャーで人事異動が多い環境での意思疎通の強化、カンボジアのように過去の経緯からナショナルスタッフがまだ十分育っていない中では、office retreatは事業実施の時間をとるけれども意義は高いと感じます。また、UNDPではマネジメントのサポートと見直しをするため、職員有志によるChange Management Task Forceづくりが奨励されており、私も参加して
昼食の時間にretreatのデザイン等をしました。

また、learning sessionは現在の代表のアイディアなのですが、毎週金曜午後に90分、現地を訪れている短期アドバイザーに専門分野やプログラムの説明をしてもらったり、各プログラム担当が研修結果を発表したり、新規分野・案件の発表とブレーンストーミングなどをしたりします。普段はお互い何をやっているのかよく分かっていませんが、こうした機会に他の担当のプログラムについて学んで議論したり、自分の分野や成果をまとめ発表するいい練習の機会になっていると思います。

(注)
[i] UNDP Support Program for Aid Coordination and Partnerships (2001-05)。実施主体はthe Cambodian Rehabilitation and Development Board at the Council for Development of Cambodia (CRDB/CDC)。
[ii] Using ICT in small scale business to create employment opportunities for disadvantaged groups in rural Cambodia。資金はThematic Trust Fund for ICT for Development(日本支援)による。スタディはon-line toolkitとしてウェブに掲載。http://www.un.org.kh/undp/ict4dToolkit/default.htm
[iii] Strengthening Access to Information and Civic Engagement through Community Information Centers (CICs)。資金はDemocratic Governance Thematic Trust Fund(NZ支援)による。
[iv] APDIP (The Asia-Pacific Development & Information Programme)はUNDPのITを専門とした地域プログラムでバンコクに事務局がある。
[v] UNDPでは事業担当をprogramと呼び、総務・契約・調達などを行う人々をoperationと呼んでいる。
[vi] ここで言うモダリティは日本ODAのような無償・有償・技術協力ではなく、実施主体によるもので政府機関主体(National execution: NEX)・NGO主体(NGO execution)・事務所直接実施(Direct Execution: DEX)の違いを指す。NEX・NGO実施の場合、プロジェクトマネジャーおよび実施は政府/NGO職員あるいは採用された調整担当になり、プログラム担当はプロジェクトのモニタリングを行う立場となるが、DEXの場合はプログラム担当自身がプロジェクト・マネジャーとなる。その他に、プログラム担当は事務所やknowledge networkでの担当分野の知識・経験の共有・提言、新規案件の開拓、他ドナーとのパートナーシップづくりとresource mobilizationが期待されている。

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エッセイ本文の転送・転載は禁止いたします。

粒良麻知子


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