2005/09/25

J. Sachs: MDG and IMF

フォーラムの皆さんこんにちは、コロンビア大学SIPAのかめいです。

先達インドネシア大統領とJ.サックス教授の講演についての投稿をしましたが、サックス教授は今学期、SIPAで「The Fight Against Extreme Poverty, Achieving the Millennium Development Goals」という授業を開講しています。当初ワークショップとして定員30名で開講したこのクラス、学生が殺到し、消防法ギリギリで教室に入れる人数約 70名に拡大してのスタートとなりました。

この授業を、フォーラムのメンバー4名が履修しています。これから学期末まで、4名によるリレーで、時々授業の中から興味深かった内容などを拾い、フォーラムの皆さんとシェアしていきたいと考えています。

さて、9/21の授業はIMFについてでした。サックス教授よりIMFの設立経緯、歴史、マンデートなどについての説明があったのち、内容はマクロ経済スタビライザーとしての、IMFのアプローチへと移りました。HIPCイニシアティブが導入された1990年代後半以降も、IMFのエネルギーの大半はマクロ経済安定のためのインフレ率抑制に費やされているとした上で、そのアプローチの目指すことは財政赤字を0とすることであると続きます。その際、IMFは政府予算の縮小による財政赤字0を推奨してきたが、これが結果、ただでさえ十分でない途上国の社会セクター予算を圧縮し、貧困削減や経済開発に必要な公共投資を妨げることに繋がったとの指摘に続きます。

ここまでは良く聞かれる問題意識ですが、ここで、サックス教授は財政赤字を0とする方策として、ODAを提案します。(財政収支)=(政府予算)+(海外ローン利子)ー(税収)ー(ODAによるグラント)とするのであれば、財政赤字0を実現する重要ファクターはODAによるグラントであるというのがサックス教授の主張です。貧困削減と経済開発を維持するためには、公共投資を削減することは適当でない。債務救済でローン利子が相殺されても、その額はたかがしてており、また税収拡大にも期待をかけれないとすれば、最終的なバランシングファ
クターとして、ODAによるグラントに注目すべきであり、IMFはそもそものマンデートマクロ経済安定を達成するために、ここにもっと注意を払うべきである、と。

簡単にまとめてしまえば、マクロ経済安定のために、IMFは各国が投入するODA増額を推進すべき、つまりMDG達成のためのODA対GNP0.7%ムーブメントに、IMFも乗るべきなのだ、ということです。

少しIMFから話がずれますが、講義前日の9/20、世銀の年次報告World Dvelopment Reportがリリースされました。今回のサブタイトルはEquity and Development、世銀としてはじめてequityに明確にリファーし、貧困削減と経済開発のためには、教育、保健、インフラと行ったリソースにアクセスを持たない人々の多くいるアンバランスを是正するために、富と再分配が必要であると主張しています。
http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/EXTDEC/EXTRESEARCH/
EXTWDRS/EXTWDR2006/0,,menuPK:477658~pagePK:
64167702~piPK:64167676~theSitePK:477642,00.html


BBCニュースはこれを、MDG達成のためにUNが主張してきたことと方向を同じくし
ていると指摘しています。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/4252308.stm

サックス教授が主張するように、世銀の次は、IMFが貧困削減、MDG達成に目を向
ける日は近く来るのでしょうか。皆さんはどのように思われますか?

少し長くなりましたが以上です。

かめいはるこ/コロンビア大学SIPA

最近の一連の議論を受けて

DCフォーラム、NYフォーラムのみなさん、

 こんにちは、よしはら@休暇前です。

 最近、いろんなフォーラで、政策評価、政策立案、オールジャパンとしての外交力、外部人材の活用、学識経験者の汎用性などについての議論が盛んになっております。

 小生の投稿は漫然としていることが多く、あまり議論を惹起しませんが、あえて、個別具体的なハウツーものでないものを、ある懇意にしている先生への書簡を抜粋する形でここにご披露したいと考えております。

 これを受けてみなさんは心中に何が沸き起こってきますか?

 ランダムにでいいので、議論が沸き起こることになるのでしょうか。ないしは、途上国、NY、DCの居酒屋、カフェで下記をネタに談論が起こるのでしょうか。

 小生は、まもなく長期休暇に入りますが、小生もいずれブログなどをやってみようかなと考えています。

(以下若干加筆の上添付)
 小生は7月胆石と急性炎を起こした胆嚢を摘出するために入院しておりましたが、その際に司馬遼太郎の「空海の風景」を読みました。これまで不祥事の折に外務省が「変える会」「変えよう、、、」等の痛烈な反省の元で指摘があったように外務省は高野山のようで「高尚」と称する密教を難解な言葉で扱ってきたきらいがありますが、若き空海が唐の長安で見た様々な異民族を含む人々が醸成する雰囲気は全く違った創造的なものであったはずです。

 人間、所詮高度な技術論は、ついていけなくなり、常識的な範囲が一番理解が得られて、うまく行くのですから、誰にでも分かる平易なことばで普段から語り、一部のものは除いて開放形で政策形成を行っていくのがいいのだ、そういう職場文化があればいいのだと考えます(要するにその日やった仕事を帰って嫁さんがわかるように説明できれば、外交官としては一人前だという暴論も成り立ちます。)。

 今度の評価書が、ある人には価値判断を含むことにより、反論可能な程に明晰で論争が惹起されること、それにより複数の代替案が熾烈に競われることで、交渉能力が錬磨されることが大事なのかな、と期待しております。

 それは報道課、国内広報課、情報公開室に続き、説明をするポストを4ポストも渉猟した小生の持論です。

 ただ、その論争のためにであっても過度に残業をさせたくはない、そのためには過飽和になっている国家公務員の仕事を選択と集中により減らすことが必要なのでは、そうしないと人件費を総じて下げれば当然評価がより明かに処遇に現れる民間企業に人材が流れていくような気がしています。

 古い仕事を抱えながら新しいチャレンジをすることは役人といえども人間ですから8時間の法定勤務時間を集中すればぼろぼろになってしまい、残業するゆとりはないはずですから。
(以上添付終了)

"Youth" as development agenda 開発課題としての「若者」

ニューヨーク国連フォーラム・ワシントンDC開発フォーラムの皆様

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2007年版の世界開発報告では「開発と次の世代」と称して初めて若者に焦点を当てます。MDG目標8のターゲット16となっている若年雇用の問
題に対処するために活動を続けている世銀・ILO・国連事務局共同プログラムYouth Employment Network (YEN)、今年6月のILO総会での若年雇用に関する討議、また、東京合同オフ会でも話
題となった世界銀行が2003年から世界各地で行っているYouth,Peace and Development (YDP)
という若者たちとの対話にも見られるように、開発の当事者であり参加者である若者の身の回りの様々な問題を開発課題としてとらえる機運が盛り上がりつつあります。その流れの中での
世界開発報告ということでしょう。

日本ではニートやフリーターがここ数年話題になっており、これまで比較的平等だとされてきた日本社会の所得格差の拡大に繋がるというと言われたりしていますが、先進国・途上国を問
わず(15歳から24歳までと統計上定義される)若者の失業率は上の世代の2から3倍です。また健康面ではたとえばHIV-AIDSの新規感染者の半分はこの年代です。ウェブ上の情報によると、
世界開発報告では「学校を離れる、健康を保つ、仕事につく、家庭を築く、善い市民となる」といったテーマが取り上げられることが予定されています。2007年版といっても、既に執筆チ
ームは動き出し、来年の3月までには原稿が出来上がる予定のようです。インターネット上でのディスカッションや、若者の組織との対話も予定されています。

現在若者の世代の皆さん、あるいは(私のように)元若者の皆さんも、何らかの形でこの報告書の作成にかかわってみてください。詳しくは、下記のウェブサイトをご覧ください。

http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/EXTDEC/
EXTRESEARCH/EXTWDRS/EXTWDR2007/0,,menuPK:
1489865~pagePK:64167702~piPK:64167676~theSitePK:1489834,00.html

上田隆文

(現在ILOを休職中で、JICAバングラデシュ事務所におります。)

速報:国連本部ビルの停電と閉鎖 → 国連のカネの話

国連フォーラムのみなさま。田瀬@人間の安全保障ユニットより。

本9月19日、昼ごろに国連事務局ビルで電気系統の障害がありまして(一部には火災という情報も)、照明以外の電源が「ブン」といって落ち、エレベータも止まり、仕事ができない状態になってしまいました。2時過ぎには照明を含めたすべての電気が止まり「4時過ぎには事務棟を閉鎖して復旧を行なうので、警備を含めた一部の職員以外は自宅待機するように」とのアナウンスが流れました。というわけで現在私は自宅に帰ってきて作業をしています。

国連本部ビルは1952年に建ったものだそうで、老朽化でいろんなところにガタがきています。エアコンの水漏れで上の階から雨漏りしたり、最悪のケースではうちの階(18階)でも天井の一部が崩れて落ちてくるという事故が最近ありました。早朝だったのが不幸中の幸いでしたが、真下に人がいたら絶対ケガしてます。そのくらいの規模の事故でした。また、夏の間は南極のように寒くなり冬の間は蒸し風呂の中にいるように暑くなるという、まったく制御の効かないエアコンもこのビルの名物です。笑ってる場合じゃないんですが・・・

幸い、すでにこの老朽化には対策が講じられています。いわゆる「キャピタル・マスター・プラン」というやつで、いまの本部ビルのすぐ南側の敷地に新しいビルを建てることとなっており、担当局長に日本人の丹羽敏之氏が任命され、デザインには日本の建築家で「幕張メッセ」を設計した槙文彦氏が担当することが決まっています。ただ、費用をどうするか、特に米国がその融資に利子を貸すかどうかといった問題で、たいへんすったもんだしたと聞いており、さらに建設予定地に隣接するTudor Cityの住宅用ビルの住人との関係で、工事ができずに止まっ
ているという話も耳にします(正確な情報を持っておられる方、教えて頂ければ幸いです)。そういうわけで、われわれはもうしばらくはこのビルで仕事を続けることとなりそうです。

この話がどこへ行くかというと、国連の行財政と予算の問題、そして各国による分担金の問題に行き着きます。私は2000年の国連分担率交渉のプロセスに関わりましたが、こうしたビルの管理まで含めて国連の予算をどうするか、さらにそれを加盟国間でどう共有するかは、国連の問題の中でも実は最も重要なもののひとつだと思います。日本は現在、国連の通常予算の約5分の1弱、19.5%程度を負担していて、22%を払っている米国と合わせるとそれだけで40%を越えるわけです。また、PKO分担金も支払いが義務となっているのですが、昨今のPKOの激増により、その額は日本の分担だけで年間1000億円を越えると聞いたことがあります(これも正確な数値をご存じの方、教えて下さい)。
来年2006年には再び分担率交渉が行われます。非常に激しい交渉となることが予想されていますが、日本はどのような立場で臨むべきとみなさんはお考えでしょうか。純粋にGDP比率で考えると分担率は大幅に下がるべきという計算になります。また「代表無くして課税なし」という観点から、常任理事国になれないのであれば支払いをストップするべきであるという考え方も最近は多く聞かれるようになってきました。少数派ですが、逆に「もっとたくさん払って経済的に国連を牛耳るべきだ」という意見もあると承知します。ただ、国内の大多数の意見は、
日本は払い過ぎであるし、金を払えば地位を得られると思うのはあまりにお人よし過ぎる、ということかと思います。

お金は同じ金額でもゼロから無限大まで、いかなる価値をも生み出します。しかし特にそれが日本を含めた諸国民の税金である場合、いかにその価値を引きだすか、悪用させないかが、立場を問わず政策を担当するものの責務であり、また国民の側からみればしっかりと監視すべき対象であると思います。

停電でいろんなことを考えちゃいました。
明日は復旧されてエレベータが使えることを祈ります。
それでは。

2005/09/17

第60回国連総会開催 速報4

NY国連フォーラムの皆さん、DC開発フォーラムの皆さん、

国連特別首脳会議も最終日の三日目が終わろうとしています。現在の焦点は、どの時点で「成果文書」の採択を行うかということと、果たして採択されるのかということです。あと10カ国ほどで、メンバー国の演説が終了します。その時点での採択となるのか、その後に続くアラブ連合やECなどの地域共同体などの演説を待っての採択になるのか。問題は、ベネズエラやキューバなど今回強い不満を述べた国が同様の国と強硬に反対し、賛成国がしっかりと対応しなければ、採択は困難になるでしょう。会場には空席もあります。

成果文書については、先日も述べましたが、理想的な文書ではありませんが、多くの進展があります。合意ができた部分で議論を深めたり、実施していくことが重要でしょう。一方、安保理の改革と軍縮については、合意できませんでした。ある意味では、今後の議論の焦点が定まったと言えるかもしれません。

今日は、町村外務大臣と国連職員の昼食会がホテルの日本料理店でありました。私も国連の邦人職員会の会長ということで数人の国連職員と招待され、お弁当を食べながら1時間15分歓談することができました。安保理改革についてや、国連職員としての所感、日本政府の拠出金、日本のインド洋の津波への対応、国連職員の年金と給与、どうやって国際分野で活躍する人材を増やすのか、アフリカの開発、南南協力など、様々な話題が出ましたが、大臣は真剣に時折メモをとりながら話に耳を傾けていらっしゃいました。代表部の小沢大使や外務省の新余部長なども交えて大変興味ある議論がなされました。

安保理改革については、国連職員の側から、日本のビジョンを明確にし、なぜ日本なのか、日本の価値は何なのか、強いリーダーシップを発揮して、ダイナミックな交渉を成功させてほしいという意見がでました。私は、日本のODAの増加、特にアフリカへの支援の倍増を是非結果に結びつけてほしいこと、国連職員を増やすには、開発教育も含め、地球規模の問題の解決に貢献しようと言う若い人の裾野を大学との連携やJPO制度の継続、インターン制度のシステマチックな利用などによって広げてほしいことなどを伝えました。

午後4時には、JICAの緒方理事長がユニセフのベネマン事務局長、丹羽事務次長と会談され、私も同席しました。緒方理事長は、JICAとユニセフが具体的な協力を強化することを提案され、ベネマン事務局長もWork together の精神でいきましょうと同意しました。ベネマンはたくさんのアクターがばらばらに政府とやっている状況を改善していくことが大切だと述べました。緒方理事長は、ハリケーン・カトリナで世界が相互依存の関係にあることがよくわかったと述べ、ベネマン事務局長も国連が支援することになろうとはと言っていました。鶏インフルエンザの話なども出て、30分ほどでしたが、協力を進めましょうと言う合意ができました。

さて、合意文書が無事に採択されることを祈って。

ユニセフ 久木田

第60回国連総会開催 速報3

NY国連フォーラムの皆さん、DC開発フォーラムの皆さん、

遅くなりましたが、二日目の報告です。今日も基本的には各国代表の演説が続いています。それぞれの内容については、テキストとビデオが国連のWebcastで見ることができます。http://www.un.org/webcast/summit2005/statements.html

今日は、午後小泉総理大臣の演説が予定されています。現在の順番からすると、夕方6時半から7時くらいになるのではないかと思われます。すでに、政府専用機で到着し、お昼にはホテルに着かれたようです。今朝回ってきたアナン事務総長の予定を見ると、午後4時45分から5時15分まで小泉総理との会談ということになっていますので、もうそれも終わり、演説の順番待ちというところでしょうか。メディアによると、日本の常任理事会入りの決意を述べるということです。選挙に大勝利し、国内の改革路線に国民の支持を得た総理ですので、国連の改革にも積極的に貢献していただきたいと思います。

さて、この総会のもっとも重要な文書となる「成果文書」のドラフトですが、これをどうみるか、皆さんにもお聞きしたいところです。9月13日付けの最終案が、上述のWebcastの「DOCUMENTS」のタブを押すとダウンロードのサイトに入れます。この文書の大事な部分は、まず、Values and principlesという最初の部分です。その後、開発、平和と集団的安全保障、人権と法の支配、国連の強化の四つのセクションに分けて、現時点での国際社会の政治的に可能なコンセンサスが書かれています。MDGsもモンテレーも出ていますが、どうも私個人の関心からするとバランスが悪く、すっきりしない部分もあります。開発の分野では、持続可能な開発の部分が長いですね。ちなみに、パラグラフ143は、人間の安全保障がきっちり入っていて、今後総会で議論すると書いてあります。

この文書が、どのくらい、先のハイレベル・パネルの勧告を反映しているのか、明日の夕方、緒方JICA総裁とユニセフのベネマン事務局長の会談がありますので、聞いてみたいところです。アナン事務総長が述べたように、安保理の改革や軍縮で大きな進展がなかったことと、この文書がこれからしばらく国際社会の議論の土台となることを考えると、残念ですね。しかし、開発やその他の分野での進展とコンセンサスの形成はできたのですから、そこはきっちりと実行に移してほしいですね。特にMDGsの実施にはこれから力を入れるべきでしょう。

今、フィリピンのアロヨ大統領の番です。今日は、全域通過の特別パスを手に入れたのですが、用があって突入を試みた同僚も総会場には入れなかったようなので、小泉総理の生の声を聴くのは無理のようです。例年ですと、国連職員との時間を取れるのですが、今年は演説が終わると空港に直行とのことです。明日は、町村大臣にはお会いできるようですので、楽しみにしています。

ユニセフ 久木田

第60回国連総会開催 速報2

NY国連フォーラムの皆さん、DC開発フォーラムの皆さん、

国連フォーラムの亀井さん、古澤さん、Jeff Sachsの報告ありがとうございました。実は、この総会にあわせて、たくさんのサイドイベントが行われています。ユニセフでも今夜、Achieving Millennium Development Goals for Water, Sanitation and Hygiene in Africa with Gender Perspectiveというのがあります。マダガスカルとセネガルの大統領他の報告があります。

現在もFinancing for Developmentのスピーチは続いていますが、丁度、町村外務大臣の演説が終わったところですので、追加報告をします。

先ほどの報告でブッシュ大統領の演説でポジティブな点は、国連フォーラムでUNDPの古澤さんからも報告があったように、明確にMDGへのコミットメントを出したことと、先進国の農業分野での補助金も問題だといったことです。ただ、やはり全体のトーンがテロとの戦争というファイティング・モードですから、そのあとの各国の演説と温度差が違いがあります。演説の終わったものから、テキストが出ていますので、詳細は、こちらをごらんください。
http://www.un.org/webcast/summit2005/statements.html

世銀のウォルフォビッツ総裁の演説では、MDGsへのコミットメント、アフリカへの支援の強化と定番どおりでしたが、最後にWe are accountable for those results.といったのが印象的でした。IMFも同様に、MDG/ミレニアム宣言とモンテレーコンセンサスのラインでした。ブレア首相の代わりに演説したヒラリー・ベンは、G8の援助とアフリカのアジェンダでのイギリスの貢献を述べながらも、弁舌さわやか、明快でした。印象的だったのは、これはCharityではなくJusticeの問題だと訴えたことでした。もう一人明快な論を展開したのは、ドイツのWiezcorek-Zeul経済協力・開発大臣でした。彼女は、世界は軍事費に1兆ドルも使いながら開発に750億ドルしか使っていない。武器の輸出入をやめ、核を廃絶すべきだと訴えました。

一人3分で話さないといけないので、早口で尻切れトンボの演説も多くありました。大統領や首相クラスでも、アジェンダを整理して、分かりやすく話すというのが難しいのでしょう。

そんな中で、町村大臣の演説は大変落ち着いていて、わかりやすい英語の発音と論点を絞った展開でいい印象を受けました。日本のMDGsへの明確なコミットメント、ODAの向こう5年間100億ドルの増額、向こう3年間でのアフリカへの支援の倍増、人間の安全保障と開発目標との関係、南南協力の推進、など目新しいものはありませんが、簡潔な演説でした。2000年のミレニアム・サミット以後の日本のODAの論調は、MDGsへのコミットメントと取り組みに迷いがあったように見えますが、これを機にリーダーシップをとる意気込みで結果を出せるようにしてもらいたいと思います。

ODAを0.7%水準にするというのは、国際基準ですし、軍事費との比較でも国民に説明できる範囲内だと思います。もっと増やしていくべきだと思いますが、結果はどうやってだすのでしょうか。

国連フォーラムで亀井さんと古澤さんから、Jeff Sachsのアドボカシー活動の報告がありましたが、MDGsを信じてやるのか、それとは違う方法で、今後10年間にもっと良い結果が出せるのかというと、やはり、MDGsを正面から取り組むのが最も効果的であると思います。Financingの議論が終わったら、何をどうやるのかをこの総会の間に明確に方向を出し、世界の総意を強化してほしいですね。

ユニセフ 久木田

MDG & UN Summit

NYUNフォーラムの皆様

UNDP NYでプログラムアソシエートをしております古澤智子と申します。
先ほどの亀井さんの投稿に関連し、かなりOut of dateになってしまったのですが、6月13日に国連本部ビル内で、Jeffery Sachs 教授の"The End of Poverty" の出版記念講演がありました。内容は、亀井さんからと、4月1日に中村さんが投稿されたものとほぼ同じ内容でした。

「アメリカの援助は対GNP0.3%にすぎず、その半分はShipment Costやコンサルタントの給料である。Bush大統領はそれをきちんと国民に説明していない。先進国全てが対GNP0.7%の拠出する必要があり、それさえ達成されれば全てが解決する。」と主張しているようにさえ感じられました。特に国連の中での講演だったので、実際にMDGに携わっている人たちもおり、場内から大きな拍手が起こり、「私たちはMDG達成するんだ、できるんだ!」と大きな団結力が生まれていました。一つの信念を信じ込ませるという点においては、Professorではなく、Politicianだなという印象を受けました。しかし、今まで多額の資金を投入してきたにも関わらず、発展が滞っているには他の要素があるはずで、資金よりもそれらを解決する必要があるのでは、と思ったのですが、実際のMDG達成のためのImplemetationは、まだ読んでいないのですが、"The End of Poverty"に書かれているのでしょうか?しかし、彼のように強いイニシアティブをとる人がいるからこそ、MDG遂行が可能になるのでは、と思います。また、講演内容は、以下のページで見られます。: http://webcast.un.org/ramgen/specialevents/se050613.rm
また、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今開催中のUN Summitも以下のページで見ることができます。: http://www.un.org/webcast/index.asp

先ほどBush大統領のスピーチを聞いていたのですが、「モントレーコンセンサス達成のため、私たちは努力を続けなければいけない。アメリカはHIVやマラリア撲滅のため何十億もの援助を行っている。またドーハ合意にあったように、途上国の発展のため、貿易関税や補助金などを撤廃すべきである。もし他国も同調するならアメリカもそれをする準備ができている。また、私たちは一丸となってテロに立ち向かい、イラク再建に貢献するべきであり、そしてUNはrespect, accoutablityを保ちその役割を果たすべきである。」と述べていました。意志はあるようですね。しかし、MDGやUN Reformについてはあまり述べられいなかったように思います。その意志が良い方向への大きなActionとなると良いのですが。

今のところ今日のテレビのニュースでは、UNでのBush大統領のスピーチ以外はもっぱら、John Roberts連邦最高裁判事承認の上院による公聴会で持ちきりで、その次に11月にあるNY市長選に向けた動きについて、そしてHarricane Katrinaの被害状況とNorth Calorina に接近している新たな台風Opheliaについてという報道ぶりです。いくらNYでUN Summitがあろうとも、やはり国内への視線の方が高いですね。

この3日間で大きな前進があることを願って。


古澤智子(Furusawa Tomoko)

第60回国連総会開催 速報1

NY国連フォーラムの皆さん、DC開発フォーラムの皆さん、

国連創設60周年を記念する国連総会の特別首脳会合が先ほど始まりました。世界150カ国以上の首脳が参加し、最終日には、包括的な国連改革の方向性を示す「成果文書」の採択を目指しています。NYから現在の様子を報告します。

今朝の国連周辺は大変なセキュリティー体制になっています。たくさんの警官やシークレットサービスが配置され、あちこちに関門があります。ユニセフの私のオフィスからFirst Avenueと総会議場が見えますが、現在通りにはほとんど人がいません。各国首脳の車がたくさん表に並んでいるだけです。特に用のない国連職員は出勤しないようにとのお達しが、回っています。私も、今日は本部に入るのはよして、国連のWebcastを見ることにしました。

午前9時に始まった会合で、先ほどコフィ・アナンの演説が終わりました。最初に、「自己の利益のみを優先する国家の傾向が強く出ると、我々は今日の世界の脅威に有効に対応することができない」、とメンバー国の結束を呼びかけました。以下、論旨をかいつまんで言うと: 昨日、本会合の「成果文書」のドラフトができたが、それを皆さんが採択することによって、前進ができる。特にMDGの達成に向けての進展が重要だ。最近、500億ドルの追加援助が約束されたり、債務救済、0.7%へのコミットメントなどがあり、重要な進展が望める。その他に、テロリズム条約、Peace Building CommissionとHuman Rights Councilの創設、など重要な項目がある。安全保障理事会の改革やNPT分野での前進が盛り込まれなかったが、これらの緊急性は以前高い。Jan Eliasson議長と協力して、世界の支援を必要としている人々のために、国連の対応と責任を示してほしい。

NYに昨日ついた町村外務大臣の顔も見えます。また、後ろには各国首脳の配偶者がカラフルな衣装で、神妙に聞き入っています。ブッシュの演説がはじまりました。ボルトン国連大使、ライス長官の顔も見えます。ハリケーン・カトリナの被害への各国の支援に感謝し、今はテロリズムについて話しています。世界の利益のために議論してほしいものです。ところで、聞くところによると、先週ボルトン大使のレセプションで、トッププライオリティーは何かと聞かれた彼は、アメリカの国益を守ることだといったそうです。正直ですが、心配です。

このあとFinancing for Developmentの議論があります。MDGどうなるのでしょう。
興味のある方は、Webcastを見てください。
http://www.un.org/webcast/summit2005/statements.html#

まずは、ここまで。

ユニセフ 久木田

MDGとハリケーンKatrina

NYUNフォーラムの皆さん、こんにちは。

いつもML管理人としてアドミ投稿ばかりをしております、コロンビア大学のかめいと申します。

今日は、コロンビア大学のSIPA (School of International and Public Affairs)が毎年国連総会開催時に併せ実施しているWorld Leaders Forum(http://worldleaders.columbia.edu/index.html) の一環として開催された、インドネシアYudhoyono大統領とジェフリー・サックス教授のセッションに出てきましたので、そこで感じたことを少々シェアさせて頂きたいと思います。

インドネシア大統領の講演内容は、MDG達成のためにインドネシアが取り組んでいること、課題等についてで、一国のリーダーとしてMDGへの強いコミットの姿勢を見せたという点の他は、特段目新しい議論が展開されていたものでもありませんでした。一方、非常に面白かったのは、大統領が退席した後に、30分弱ほど一人でアジったサックス教授の視点です。

曰く、モントレーにおけるODA対GNP0.7%コミットメントなど存在しないと主張し、今やMDGのゴールそのものにネガティブな姿勢を持つアメリカは、今回のハリケーンKatrinaにおいて各国やUNから受けた支援を踏まえ、アメリカがアメリカだけで生きていけないことを悟るべきであり、開発を通じたSecurityの確保を今一度思い知るべきである、と。ODA対GNP0.7%はアメリカの予算にすれば対イラク年間予算に等しい、と、ブッシュ政権に対しての直接的に批判的な発言が多かったのは、国連とアメリカの狭間で、MDGの旗ふりをやってきたサックス教授自身のフラストレーションの現れであるとも感じました。

MDG達成は非現実的で、ODA 対GNP0.7%にこだわり、資金さえあれば全てが解決するような主張は楽観的すぎる、という批判もあると思います。ただ、本日のサックス教授の非常にポジティブで、強い意志を持った語り口から、単純に先進国が占有する富をわずかにシフトすることで、最悪の貧困と欠乏の中で暮らす多くの人を救うことができる、そのために先進国は最低限の努力をすべき、ODA対GNP0.7%によるMDG達成は未来の世界のためにすればThe best offer on theplanetとの明確な主張には、強い説得力を感じました。

This will be the last chance to make MDG operational, そう述べたサックス教授の言葉通り、昨日開幕した今回のサミットにおけるMDGの議論は、今後の開発の潮流を決定する重要なターニングポイントだと思います。皆がアメリカのようにコミットメントを投げ出し「諦めるのか」、達成を信じ、開発の努力を続けていくのか。援助国側、被援助国側双方が、どのうような議論を展開していくのか、非常に興味深いと思います。フォーラム参加者の皆さんのなかには、実際の議論に関わる方も多くいらっしゃると思いますので、その様子を是非フォーラム
においてお伝えください。

なお、サックス教授が本日述べていたところの趣旨は、昨日12日のFinancialTimesにも掲載されています。ご参考まで。
http://news.ft.com/cms/s/c7e7f42c-23ad-11da-b56b-00000e2511c8.html

亀井温子(はるこ)/ コロンビア大学SIPA

2005/09/10

外務省政策評価書の公表

河村さん、←外務省よしはらより

 コメントありがとうございます。(ブログに直接書き込まれていましたが、小生直接書き込み方を知りませんので、MLにて。

 パブコメは昨年度のものについても、ずっと外務省HPのトップページに掲載されているのですが、あまり反応がいい訳ではありません。今後に期待です。

 経済産業省は政策評価と広報が同じ部署で取り扱われていますよね。

 あと、確かにここまで評価書で書いてしまうと青書との違いは???と聞かれてしまいますが、評価書は評価法に基づいて作成するので、有体に、かつ客観的に自分のやってきたことを評価し、表現を工夫しなければならないところが、返り血を浴びそうできついところです。小生も胆石どころの話ではありません。
 でも、そうしないと毎年の予算がとれないという厳しい状況に立ち至っているのが役所の世界かと。地方自治体はすでにそこはあえぎながら道を探っているようにも見えますが。

 ODAについては一定額以上のものについて事前、未着手、未了については評価が義務付けられていますが、事後の評価については、従来から様々な評価手法を構築している経済協力局の評価スキームも併せて見ていただけると助かります。

 なお、最近「英国大蔵省から見た日本」という新書を読みました。現職のわが国財務省の方が出された本で、とても面白かったです。小生ケンブリッジ大に留学しておりましたので、英国の行政経営のあり方については、Yes! Ministerというシットコムでなくとも考えさせられており、よく在京英国大使館の人間とも議論しているところですが。

 小生の世代は、先のオフ会のトピックでも書いたとおり、家計的にも相当過重な負担を自らに課しておかなければ、こどもの養育を含め今後の日常生活が立ち至らないのがつらいところです。それは連れも、一旦出産してからの復職に厳しいシーリングをかけられている女性としては同じことで、それをこどもを鎹として三人がそれぞれ活きるすべを磨いているしだいです。

 あとになるほど余話に近いですが、検事調書より検事調書の余白の落書きがより真実を語っていることもあるかと。以上とりあえず。

国連フォーラム・インタビューシリーズ第2弾(追記)

なお、先程投稿しましたインタビューに関しましては、以下のウェブサイトも御参照ください。

UNOTIL:http://www.unotil.org/
東ティモールにおける国連諸機関:http://www.unagencies.east-timor.org/
UNDP東ティモール事務所:http://www.undp.east-timor.org/

ニューヨーク国連フォーラムウェブサイト(http://www.unforum.org)も御参照ください。

清水

国連フォーラム・インタビューシリーズ第2弾(パート2)

NY国連フォーラムの皆様

昨日送信いたしました、「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第2弾の続きをお送りします。フォーラムの皆様の御意見・御感想をお待ちしています。

NY国連フォーラム幹事
清水和彦

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第二弾        ┃
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2.東ティモールの現状

(清水)東ティモールの独立を問う住民投票から6年、国連の暫定統治を経て、独立から3年が経ちました。現在の東ティモールの状況をどのように分析されていますか。


(長谷川代表)国連東ティモール・ミッション(UNAMET)が国民投票の管理を行い、国民投票後1999年9月に多国籍軍INTERFETが展開されました。セルジオ・デ・メロ氏が国連事務総長特別代表を務めた1999年11月から2002年5月の約2年半の間に、①治安の回復、②健全な統治能力を持った政府づくり、③議会、裁判所、大統領府の土台づくりが行われ、多くのアドバイザーが活躍しました。この時期は国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)が行政責任をすべて受け持っていました。その間、憲法の採択を行い、大統領選挙(2002年4月)、制憲議会選挙(2001年10月)が行われました。UNTAETが基盤を作ったわけです。

2002年5月、正確には独立の「復帰」(Restoration of Independence)と言います。これは、1975年にポルトガルより独立を宣言したものの、3か月後にインドネシアが侵入してきたためです。独立の復帰と共に、国連東ティモール支援ミッション(UNMISET)ができました。私は2002年7月に東ティモールに来ました。初めの2年間は、治安・行政制度を確立するための100人の専門家(Stability Advisor)が、 UNDPの200人の開発支援のアドバイザーと共に、この国の基本的な行政を行いつつ、4つの国家機関(議会、裁判所、大統領府、政府)が機能できるような技術支援、訓練を行ってきました。2年間それが実って、それなりに基盤が整えられたと思います。


3.東ティモールの課題

(長谷川代表)予期して対策が講じられなかった課題の第一は、司法制度です。政府の行政能力はそれなりに育ってきましたが、司法制度がまだ十分育ち上がっていません。一つには、裁判官、検察、弁護士は数年のアカデミック・トレーニングが必要です。もう一つは、公平な裁判を外部からの介入を防いで行うことは、それなりの公正を重んじる社会制度ができなければいけません。それにはまだ数年かかります。それをどのようにして国際社会が支援していくことができるかです。

第二の課題は、憲法、4権の分権体制といった民主主義社会のフレームワークはつくりましたが、これが十分機能していくためには、民主主義のカルチャーを国民とその指導者が受け入れていく必要があります。たとえば、裁判に対する政府の介入をなくすことなどです。

第三の課題は、透明性と説明責任のある政治体制の構築です。そして公正な政治が行われるためには、汚職をなくすことが必要です。たとえば、国家公務員は(与党)フレティリンのメンバーが優先され、メリトクラシー(能力主義)がありません。統一試験はありませんし、公用語であるポルトガル語ができる人しか入れません。

また、貧富の差が出てきました。頭が良くて外国から入ってくるお金のある人、そういう人は給料がもらえますが、教育を受けていなくて、(インドネシアに支配されていた)24年間外に出なかった人が苦労しています。つまり、外に出ていた人たち(Diaspora)が新しい社会の恩恵を受けています。貧富の差のない社会づくりのためには、ミレニアム開発目標(MDGs)達成のために支援していくことが第一です。


4.東ティモール支援における国際社会の役割

(清水)東ティモールの今後において、国際社会、特に国連と日本の役割は何だとお考えでしょうか。


(長谷川代表)国連の支援は、この国の行政能力に重点を置いてきました。今後は、①政府機関のみならず、他の国家機関(議会、裁判所、大統領府)の能力、また、②市民社会の団体(Civil Society Organisations; CSOs)の潜在能力を高めることが必要です。また、③民間部門の生産能力を高めていくこと、特に農業の開発が非常に大事です。 日本は、農業開発、インフラ整備などの面で貢献できると思います。道路、通信の復旧は、地域間の差を縮めます。また、教育・医療面においての開発、整備も必要であり、日本はこういった面で支援していけると思います。国連としては、政治的に2007年の大統領選挙・議会選挙が大事で、いかに自由で公正な選挙が行われるかと言うことの支援をしていきたいと思います。
(清水)本日は大変お忙しいところ、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。(了)

国連フォーラム・インタビューシリーズ第2弾(パート1)

NY国連フォーラムの皆様

このたび、「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第2弾として、長谷川祐弘国連事務総長特別代表(東ティモール担当)にお話を伺いました。今日と明日の2部に分けてお届けします。皆様からのご意見・感想等をお待ちしております。

NY国連フォーラム幹事
清水和彦

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┃「国連フォーラム・インタビューシリーズ」第二弾 ┃
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●長谷川祐弘 国連事務総長特別代表(東ティモール担当)●

略歴:はせがわ・すけひろ。ミシガン大学卒業、国際基督教大学大学院修士課程修了、ワシントン大学で国際関係開発学博士号取得。1969年より現在に至るまで国連職員として開発援助、国連平和維持活動に従事。93年国連ボランティア(UNV)選挙監視団統括責任者(カンボジア)、94年ソマリア国連平和維持活動(UNOSOM)政策企画担当部長、95年ルワンダ国連常駐人道調整官及び国連開発計画(UNDP)常駐代表、96年UNDP駐日代表、2002年4月UNDP紛争予防・復興担当特別顧問などを経て、同年7月東ティモール国連事務総長特別副代表・国連開発担当調整官・UNDP常駐代表。04年5月より国連事務総長特別代表。

聞き手:清水和彦
ニューヨーク国連フォーラム幹事。在アメリカ合衆国日本大使館外交官補(コロンビア大学大学院にて研修中)。本年7~8月、UNDP東ティモール事務所にてインターンを行う。

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1.4つの肩書き

(清水)長谷川さんは、国連事務総長特別代表、国連開発担当調整官、UNDP常駐代表という3つの役職を兼ねておられますが、これらはどのようなお仕事なのでしょうか。


(長谷川代表)正確には、私は現在4つの役職を兼ねています。一つ目は国連事務総長特別代表(Special Representative of the Secretary-General)で、事務総長個人の代表と
して、東ティモールにおいて事務総長に代わって国全体の活動の総括をし、政治的に仕切っていく役目です。日本の特命全権大使に近い、国連全権特命代表という役割です。

二つ目は国連東ティモール事務所(UNOTIL)の最高責任者(Head of UNOTIL)であり、これは国連事務総長特別代表とは本質的に別の役目で、UNOTILの運営に携わっております。

三つ目は国連の開発活動を行っている専門機関(WHO、ILOなど)、国連の開発活動に携わっている諸機関(UNDP、WFPなど)、そして開発を行うに当たっての基金(UNFPA、UNCDFなど)、これら全機関の調整を行う役目で、法律的には世銀も調整の対象に含まれます。これは1987年の国連総会決議に基づいて決められたもので、国連開発担当調整官(Resident Coordinator for the United Nations System's Operational Activities for Development)と呼ばれています。東ティモールには初め2年間は人道調整官(Humanitarian Coordinator)という役職もありましたが、これは今はなくなりました。

四つ目はUNDPの常駐代表(Resident Representative)で、UNDPの代表として開発援助活動の最高責任者としての役割を与えられております。私の下にUNDPカントリーディレクターと呼ばれる人がおり、毎日の活動を指示しております。


(清水)典型的な一日の様子を教えてください。


(長谷川代表)たとえば、今日のスケジュールを例にとってみましょう。8時半から10時半まで、司法制度改善のために最高裁長官、検察庁長官、法務大臣、そして米国・英国・ポルトガルその他の国々の大使や外交団、並びにUNDP、UNICEF、世銀等の国際機関、司法関係NGOとの合同会議に出席し、UNDP主導の下に今後3年間の司法整備のための3年間で1千万ドルの国際支援計画について検討しました。

10時半から、UNOTIL人事部長と、UNOTILの人事、運営についての協議を行いました。いかにして行政顧問23名を一日も早くリクルートするかの課題でした。

10時45分から、監査局長のアドバイザーと、国連が東ティモール政府に譲渡した500台以上の車両についての協議を行いました。

11時から11時半まで、南アフリカ政府から来た国連外部監査官と会見しました。

また、今日はUNOTIL官房長に代わりに行ってもらいましたが、11時半から12時半までグスマオ大統領の帰国にあたっての空港で迎えが予定されていました。今日は11時半から12時まで、補佐官と国連安全保障理事会出席のためのワシントン・ニューヨーク・東京訪問の日程の打合せを行いました。

12時半から午後2時まで、米国・英国・オーストラリア・ニュージーランドの大使を招待し、私の自宅で昼食会を行います。

3時からは、UNOTIL政治部、法律顧問、人権擁護局幹部とのウィークリー・ミーティングが予定されています。

4時から5時まで、官房長、人事部長と(UNOTILの)要員の採用状況について検討します。

5時から、メルパティ航空会社の運航の安全性の問題について、インドネシア大使と協議します。

6時から7時まで、東ティモール海底油田開発公社主催レセプションに参加します。

最後に、9時から10時まで、国連本部との電話連絡をします。


(清水)…一日中ほとんど打合せで埋まっていますね。


(パート2に続く)

2005/09/02

外務省政策評価書の公表

あまりツリーがぶらさがりづらいコメントばかりすみません。

よしはら@外務省です。本日外務省政策評価書を公表しました。
(下記のアドレスで電子上も順次公表していきます。)
定性的に政策評価を本格的に行う初の試みと個人的には考えています。
以下は個人的な意見も含んでいますので、念のため。

 外務省は、「平成17年度政策評価書」(但し、対象年度は平成16年度)を8月31日(水)公表しました。外務省の政策評価書の公表は、政策評価法施行以来3度目となります。

 基本計画においては、「外務省による政策評価の目的は、外交目標及びその政策を国民に明らかにし、国民に対する説明責任を果たすことである。同時に、外交政策の客観的に政策評価を実施することにより、常に効率的な、質の高い、中長期的な観点を含めた成果重視の外交を推進していくとともに、職員の仕事の取り進め方を改善し、組織の活性化を図っていく必要がある。その結果として、将来のよりよい外交政策の実現、ひいては国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ることである」旨定めています。

 また、政策評価書は、読みやすさの観点から総括・概要版と評価シート版の2分冊構成とし、前者には、外務省における政策評価についての概観及び改善点、重点外交政策を中心とする外交のレビュー及び評価総括票等を、後者には上記の評価対象政策等の個々の評価書を掲載してあります。

 さらに、本年度の評価書は、政策評価を次年度以降に活かすために、政策目的を明確にして具体的事務事業を評価しています。政策評価の把握にあたっては、「目標達成に照らしての評価の切り口(指標)」を設定して、政策目的に向けた進展度合いを分析してあります。 また
、政策手段としての事務事業を評価するとともに、政策目的を達成するために投入資源の記載、客観性を担保するための第三者の意見の活用、評価総括組織による審査の結果の記載を盛り込んであります。なお、本年度政策評価書を作成するにあたり、「外務省政策評価アドバ
イザリー・グループ」を2回開催(同グループについて及びその議事概要は同じく上記のコーナーを参照ください。)し、政策評価の方法等に関する助言を得ました。

 その他、特徴は本日掲載予定の評価書をお読みください。ここで議論していただけるぐらいの成果物と自負しております。

(参考)
 外務省ホームページ「政策評価」のコーナー
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shocho/hyouka/index.html


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